2017 Fiscal Year Research-status Report
TRPとAMPK機能連関に着目した糖尿病性神経障害における疼痛過敏機序の解明
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17K09048
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
戴 毅 兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (20330441)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | TRPA1 / AMPK / DRG |
Outline of Annual Research Achievements |
1) DPN病態モデル動物を確立した。 leptin 受容体異常db/db 肥満マウス(type II 相当)を若年から購入し、飼育しながら、その成長と体重の増加に伴う血糖値変化、疼痛行動との関連、疼痛過敏・感覚障害の発症の時期を確認した。疼痛行動はplantar test, acetone test, Von Frey test 法で評価した。4週齢から冷刺激と機械的疼痛過敏が観察された。 2) モデル動物におけるAMPK 、TRP チャネルの発現変化と、2 者の相関を解析した。 上記モデル動物の血糖値変化と疼痛行動の指標を参考に、後根神経節(DRG)ニューロンにおけるTRPA1チャネル、AMPK およびリン酸化AMPK の発現変化をWestern Blot 法、免疫染色法を用いて検討した。TRPA1トータルタンパク質の変化が見られなかったが、膜たんぱく質はdb/dbマウスにおいて増加した。また、リン酸化AMPKの減少が確認された。また、AMPK のactivatorを腹腔内注射し、DRGニューロンにおけるTRPA1チャネルの発現変化を検討したが、トータルタンパクの変化がないものの、膜TRPA1の減少が確認された。 3) モデル動物におけるAMPKとTRPチャネルとの機能連関の確認を確認した。 モデル動物のDRGの急性単離細胞を用い、各TRPチャネルの刺激薬(capsaicin,AITC) を投与することで上昇する細胞内Ca2+をFura-2 Ca2+imaging法で測定し、AMPKのactivatorによる影響を検討した。AMPKはAITCで惹起するCaの細胞内流入を抑制した。また、各TRPチャネルを介した内向き電流をホールセルパッチクランプ法で観察した。AMPKのactivatorの投与はAITCの内向き電流を抑制した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度に実施予定であった病態動物モデルの確立、モデル動物におけるAMPK関連分子の解析そしてモデル動物におけるAMPKとTRPチャネルの機能相関などに関する実験が計画通りに進み、当初の計画通りデータ収集と解析ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、H29年度で解明した現象の細胞内メカニズムの解明を目指しながら、In vivoでの解析を進める。また、計画通りTRPA1欠損するdb/dbマウスの作成に取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
本年度調達した実験用品が年度内に納品されなかったため、未使用額が生じた。 次年度使用額は、本年度に発注した実験用品の購入費用に充当する予定である。
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Research Products
(4 results)