2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of a 3D dynamic myocardial phantom toward standardization of myocardial gated SPECT image
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17K09060
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| Research Institution | Kanazawa University |
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Principal Investigator |
小野口 昌久 金沢大学, 保健学系, 教授 (30283120)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 心臓動態ファントム / 心電図同期心筋SPECT / 心機能 / 位相解析 / 心筋血流 / SPECT装置 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
心電図同期心筋SPECTにおいて，心機能指標の精度を評価・検証できるファントムは殆どない。本研究では心臓部と機動部が一体化した心臓動態ファントムをより人体構造に近三次元心臓動態ファントムを開発した。
本ファントムは心臓部を含んだ胴体部と機動部が一体化した構造で，胴体部は楕円形アクリルタンクとし，その中に二層構造のシリコン製ゴムの模擬心臓が装着されている。機動部はダブルシリンダーが装着され，心筋部と心室部の容量を可変させることにより心臓を拡張，収縮させる。心臓部の動きは，ゴムのサイズの選択とシリンダー容量の調節により心室および心筋の各容積が決定され，心拍数を設定することができる。
心臓部の外容器であるアクリルタンクは楕円形とし，人体に類似させた。心臓部は左室長軸が体軸に対し30度傾斜した配置となる。また，心臓部の下方には肝臓と胆嚢を模擬したファントムが装着でき，肝臓や胆嚢への集積が心筋画像に与える影響を評価することができる。また，アクリルタンク内に水を充満させることで，心臓部の周囲に人体と同様の吸収・散乱体が備わる。心臓部は二層構造のゴムであり，内側の膜が心内膜，外側の膜が心外膜，2つの膜の間が心筋壁部分，心内膜の内部が心室腔である。ゴムのサイズは3種類で，小心臓を模擬したSmallサイズ，一般的なRegularサイズおよび拡張型心筋症を模擬したLargeサイズがあり，様々な心機能モデルを作成することができる。心臓部ゴムの材質はシリコン製のゴムで取り扱いが容易である。機動部は心室用と心筋用の2つのシリンダーが独立しており，それぞれのストローク長を変化させることで心室部および心筋部の壁厚の容量を変えることができる。心拍数コントロール部3～164 bpmの範囲で心拍数を設定できる。
本ファントムを用いた心電図同期心筋SPECTでは様々な心機能条件の画像評価を行うことが可能と考える。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の研究計画は，新型心臓動態ファントムの開発および動作確認である。
これまで，予備的な研究で使用されていた市販の核医学専用心臓動態ファントムは，心臓の構造をもとに作成されているが，外側（心筋外膜，中膜，内膜を想定）の大きさが固定で内側（心腔を想定）のみが前後方向に移動する構造であるため，本来の心臓の動きが再現できていない。平成29年度では企業との共同研究が迅速に進み，心臓動態ファントムの外側（心筋外膜，内膜を作成することで，心筋壁厚が可変可能）と内側（心腔を想定）の動きを二層構造のシリコン製ゴムの模擬心臓を開発したことで，本来の心臓の動きに近い心臓動態ファントムが構築できた。さらに，心臓部は心筋部と左心室部から成るが，心筋壁厚はストローク長に応じて小心臓，正常，拡張型および肥大型を想定した心臓モデルを作成し，人体に類似した拡張末期容積，最大収縮末期容積および左室駆出分画を再現できる構造とした。これにより，予備基礎実験や臨床機による動作確認の検証を順調に進めることができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
三次元心臓動態ファントムの動作確認および各定量値の妥当性の検証を子なう。心機能解析評価プログラムは，代表的なQuantitative Gated SPECT/Perfusion SPECT（QGS/QPS，Cedars Sinai Medical Center），Emory Cardiac Toolbox（ECTb，Emory大学/Syntermed社），4DM-SPECT/Corridor 4DM（Michigan大学/INVIA社），Heart Function View/Heart Score View（HFV/HSV，日本メジフィジックス社），Cardio-REPO（富士フィルムRIファーマ社，EXINI社と共同研究）を用いる。上記プログラムから，正常，小心臓および肥大型・拡張型心筋における最大拡張末期容積（EDV），最大収縮末期容積（ESV），左室駆出分画，最大収縮速度，最大拡張速度および位相解析の定量値を算出し，その定量値の妥当性（理論値と算出値間の比較）と各プログラムの特長を明らかにする。物理的および各種補正効果の評価として，心電図同期心筋SPECTを施行する上で設定すべき，コリメータの種類，収集条件および画像処理条件（前処理・後処理フィルタの種類，画像再構成法など）の物理的条件の至適化を行う。その他，空間分機能，散乱線，減弱の各補正効果および部分容積効果における各種定量値の精度を検証する。特に，小心臓（small heart）に関しては最大収縮末期容積（ESV）の過小評価と左室駆出分画の過大評価が生じることが報告されているが，三次元心臓動態ファントムを理論値と実測値の検証はなされていない。さらに，肥大型心筋モデルによる部分容積効果の検証，および拡張型心筋モデルの最大拡張速度遅延の検証など，本ファントムの臨床的意義は大きい。
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