2018 Fiscal Year Research-status Report
乳児期の噛み与えによる革新的アレルギー予防法の疫学的研究
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17K09124
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
久保 良美 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (00792988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 豊 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (00647571) [Withdrawn]
三木田 直哉 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (60405462)
吉原 重美 獨協医科大学, 医学部, 教授 (80220713)
金澤 伸雄 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (90343227)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / 噛み与え / 乳児期 / 妊娠期 / 口腔衛生知識 / 母親のアレルギー / ストレス / アレルギー予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年2月に栃木市教育委員会で、部分的ではあるが、栃木市の小中学校5校のデータ解析結果を報告することができた。3月には、石川県加賀市と栃木県栃木市の全データの英語バージョンを完成することができ、ハーバード大学の教授と共同で分析を進める準備が整った。石川県加賀市の全体データ、小中学校6校の生徒とその保護者を対象にISAAC調査票によるアトピー性皮膚炎症状と各項目の解析を行い、乳児期の「噛み与え」と学童期のアトピー性皮膚炎症状の有無の間に有意な関連性が認められた。また、妊娠期のストレス、生後6ヶ月間完全母乳、母親のアレルギー、保護者の口腔衛生知識の有無も小児のアトピー性皮膚炎症状に有意に関連していることが示唆された。その結果を5月31日、6月1日に第117回日本皮膚科学会総会にて「小児アトピー性皮膚炎予防関連因子に関する疫学研究」と題して口頭発表とポスター発表を行った。これらの結果により、優秀演題賞を受賞した。 6月22日 第67回日本アレルギー学会学術大会にて「小児のアレルギー疾患予防関連因子に関する疫学研究報告」と題して、乳児期の「噛み与え」、卒乳(母乳)の時期と小児のアトピー性皮膚炎症状の有意な関連性などについて、ミニシンポジウムで口頭発表を行うことができた。 10月21日 第55回日本小児アレルギー学会学術大会において、栃木市の全体データの解析結果を「小児のアレルギー疾患予防関連因子に関する疫学研究報告」と題して発表することができた。 11月24日 第7回日本小児診療多職種研究会のSpecial Interest Sessionにて「小児のアレルギー予防に向けて 妊娠期乳児期からの疫学的アプローチ」と題して、乳児期の「噛み与え」と児童期のアトピー性皮膚炎の有意な関連性を中心に、妊娠期、乳児期からのアレルギー予防に向けて、これからの可能性について発表することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年は、石川県加賀市と栃木県栃木市の全体データの英語バージョンを完成させ、2つの地域のデータ解析を進めることができた。解析結果について、予定していたより多い4つの学会と1つの委員会で発表させて頂くことができ、論文執筆に向けての準備に繋げることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
加賀市と栃木市の2つの地域での小中学生とその保護者のデータ解析を共同研究者のハーバード大学の教授と更に進め、結果を比較し、乳児期の「噛み与え」による唾液接触とアレルギー疾患、特にアトピー性皮膚炎の発症についての関連性を調べる。更にアレルギー疾患発症に関連する他の項目についても更に解析を行う。日本小児アレルギー学会と日本皮膚免疫アレルギー学会で、解析結果の発表をさせて頂く。また、英文で論文を作成して、海外ジャーナルに投稿し、海外に向けても発表していく。妊娠期や免疫システムの未完成な乳児期に焦点を当て、衛生仮説や腸内細菌叢に関連する免疫に着目し、詳しい解析からアレルギー予防法開発に繋がるよう研究を進める。
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Causes of Carryover |
2018年度は、当初計画していた学会発表より多く、発表の機会を頂いた。そのため、時間的な関係で、ハーバード大学での打ち合わせと英文での論文執筆についての諸経費が、2019年度に持ち越されたため。
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Research Products
(4 results)