2020 Fiscal Year Research-status Report
乳児期の噛み与えによる革新的アレルギー予防法の疫学的研究
Project/Area Number |
17K09124
|
Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
久保 良美 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (00792988)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 豊 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (00647571) [Withdrawn]
三木田 直哉 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60405462)
吉原 重美 獨協医科大学, 医学部, 教授 (80220713)
金澤 伸雄 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (90343227)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | アトピー性皮膚炎 / 噛み与え / 乳児期 / 妊娠期 / 口腔衛生知識 / 母親のアレルギー / ストレス / アレルギー予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の分析結果を論文として、海外ジャーナルに投稿するために、論文の草案をハーバード大学の共同研究者の先生に送付致しました。新型コロナウイルスの影響で、研究全体が遅延しましたが、英文校正を重ね、再度分析を行い、内容の確認を行いました。更に、投稿規定に沿って、新しい表や図を作成し、論文作成を進めました。医学雑誌「アレルギーの臨床」9月号で、研究に関連する「乳児期の免疫刺激と小児アレルギー予防」について執筆し、掲載されました。10月には、石川県予防医学協会のZoom 講演会にて、研究に関連する小児のアレルギー予防についての講演を行いました。12月には、第50回日本皮膚免疫アレルギー学会共同研究シンポジウムにて、「乳児期の噛み与えと生活関連因子による革新的アレルギー予防法の疫学研究」の題目で、研究成果を発表致しました。今回、アレルギーマーチの観点も含め、食物アレルギー、アレルギー性鼻炎についての予防関連因子を詳しく調べ、解析の結果、小中学生の食物アレルギー既往歴とアレルギー性鼻炎症状について、どちらもアトピー性皮膚炎症状と喘息との間で有意な関連性が認められたこと、小中学生の食物アレルギーの既往については、乳児期の空気清浄機の使用頻度、毛のあるペットとの接触などとの間に有意な関連性が認められたこと、小中学生のアレルギー性鼻炎症状については、乳児期の親の唾液によるおしゃぶりの洗浄、噛み与えの頻度、保護者の口腔衛生知識の有無などとの間に、有意な関連性があったことを報告し、その他の有意な関連因子についても発表しました。衛生仮説に関連して、乳児期の未完成な免疫システムに免疫刺激として働きかけることにより、小児のアレルギー疾患発症リスクを低下させ、アレルギーマーチを予防する可能性が期待されることを報告致しました。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究の分析結果を論文として、海外ジャーナルに投稿させて頂くために、2019年から準備を進め、2020年に投稿予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大により、ハーバード大学医学部の共同研究者の先生との連絡や打合せに支障があり、論文の作成の遅延がありました。 更に、当初予定の論文投稿ジャーナルの変更をしたため、一旦、英文校正後、再度、分析、表の作成を行い、2021年、論文完成、投稿を予定しています。
|
Strategy for Future Research Activity |
共同研究者の先生方とオンラインやメールで論文完成に向けて、頻繁にコンタクトを取り、校正、確認を行い、今年度、目標の海外ジャーナルに投稿し、小児のアレルギー予防に関する研究成果を発表することを目指します。また、アンケート調査で得られたその他のアレルギー予防に関するデータについての解析結果も順次発表していく予定である。
|
Causes of Carryover |
2020年度の新型コロナウイルス感染拡大の影響により、共同研究の遅延が発生し、学会発表の機会も少なく、論文の完成と投稿が遅れたため。今年度は、共同研究者の先生方と研究成果の論文を完成し、海外ジャーナルや日本のジャーナルに投稿し、発表させて頂くための費用として使用させて頂く計画です。
|