2019 Fiscal Year Annual Research Report
Augmentation in insulin resistance by pyrethroid pesticide invalidating the claim of its safety
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17K09154
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
崔 正国 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (90572115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲寺 秀邦 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (10301144)
小川 良平 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (60334736)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ピレスロイド系農薬 / インスリン / がん / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、Ⅱ型ピレスロイド系農薬であるフェンバレレートが誘発する異常な糖代謝によるがん細胞のストレス応答能力の変化とその詳細な分子メカニズムについて解析した。ヒト肝癌由来細胞株であるHepG2細胞をフェンバレレートにより処理すると、解糖系が活性化され、グルコースの取り込みとATPの産生が増加し、メトホルミン処理による細胞死に対して抵抗性を示した。また、PI3K-AKTおよびAMPKシグナル伝達経路の活性化がその分子メカニズムの一部分を担うことが判明した。腫瘍は急速な生長と血管新生の不均衡に起因し、低酸素低栄養環境にさらされ、がん細胞はストレス耐性能を亢進させることで、 劣悪なストレス環境に適応しなければならない。フェンバレレートの曝露は解糖系を亢進してエネルギー代謝を向上させることにより、がん細胞が自己の生存・増殖に有利な微小環境を形成することに寄与し、がん治療に抵抗をもたらす可能性があることが示唆された。今後は担がんマウスを用いてフェンバレレートの曝露とがん微小環境の相互作用およびがんの増殖、浸潤転移とその治療に及ぼす影響をさらに詳細に検討する予定である。
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Research Products
(7 results)