2019 Fiscal Year Research-status Report
環境化学物質によるドーパミン神経系疾患のDOHaD仮説検証
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17K09180
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
石堂 正美 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康研究センター, 主任研究員 (60211728)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ADHD / パーキンソン病 / ロテノン / ドーパミン神経変性 / DOHaD仮説 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまでに明らかにされてきた環境化学物質によるドーパミン神経系に起因する2つの行動毒性の関連性をDOHaD仮説に基づき検証する。すなわち、環境化学物質によるドーパミン神経系の発達障害の結果としての多動性障害とドーパミン神経変性疾患の結果としての寡動症であるパーキンソン病との関連性をラットモデルを用いて調べる。また、時系列的に両者の変曲点を明らかにし、その分子機序をトランスクリプトーム法により明らかにすることを目標にしている。 市販の妊娠Wistarラットを購入し、ドーパミン神経毒である農薬ロテノン(0~3 mg/kg)はオリーブオイルに懸濁した。生後5日齢に体重を約10gの仔ラットを選別して、全量30μLを経口投与した。ロテノン(0~3mg/kg)は、生後5日齢曝露のほかに生後6日齢、2週齢、3週齢、4週齢或いは7週齢で曝露した。生後5日齢、6日齢、2週齢曝露ラットは、投与後母親に戻し、3週齢で離乳した。5週齢からSupermex(室町機械(株))を用いて自発運動量の測定を開始した。防音箱の明暗は12時間サイクルに設定した。多動から寡動への変曲する曝露時期を推定した。 その結果、生後5日齢から3週齢までの期間でのロテノンの単回曝露は、ラットの多動性障害をもたらすが、4週齢及び7週齢での曝露はラットの寡動性障害をきたした。つまり、行動特性の変曲点は3週齢から4週齢の間にあるものと推測された。 また、単一化学物質ロテノンによる多動性障害ラットとパーキンソン病モデルラットにおける遺伝子発現プロファイルは全く異なったが、遺伝子セットエンリッチメント解析では両者ともにサイトカインネットワークを描き出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの実績に立脚した研究計画を立案したためと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
DOHaD仮説検証の中で、化学物質の単回曝露の毒性影響は数世代まで及ぶかどうかを見ることが次に重要になってくる。私たちはこのような実験に既に取り組み確認したところある。この影響の分子メカニズムはCNV或いはDNAメチル化が考えられるため、現在解析を急いでいる。
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Causes of Carryover |
文部科学省新学術領域研究、先進ゲノム支援プラットフォームによる支援や、順調な実験推移による材料購入費が当初より大幅に減額できたことによる。これらは次世代ゲノム解析やDNAメチル化解析に充填する予定である。
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Research Products
(3 results)