2021 Fiscal Year Research-status Report
環境化学物質によるドーパミン神経系疾患のDOHaD仮説検証
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17K09180
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
石堂 正美 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康領域, シニア研究員 (60211728)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多動性障害 / DOHaD仮説 / エピジェネティク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまでに明らかにされてきた環境化学物質によるドーパミン神経系に起因する2つの行動毒性の関連性をDOHaD仮説に基づき検証する。昨年までの結果を踏まえると、環境化学物質によるラット多動性障害には遺伝継承毒性があり、環境化学物質によるDNAのメチル化への修飾が特に示唆される。従って、この点を明らかにするためにエピジェネティク修飾剤とラット多動性障害の関連性を調べることを本年度の目的とした。生後5日のラット新生仔にエピジェネティク修飾剤(150mg/kg)を腹腔内投与し、成熟期の自発運動量を測定した。その結果、約1.4倍亢進していた。つまり、ラット多動性障害の原因にエピジェネティク状態の変動が関与していることが強く示唆された。次に、DNAのメチル化状態を調べるためWistarラットのSNVデータとSNV_m6.fastaからラットのゲノム配列を構築した。また、イルミナ社のデータからSOURCESEQを抽出し、得られたラットゲノム配列からプローブのマッピングを実施した。引き続き、DNAのメチル化状態の定量化を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エピジェネティク修飾剤によりラット多動性障害が惹起されることが新たに明らかになっり、DNAのメチル化状態の定量化を実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
エピジェネティク修飾剤によるラット多動性障害と遺伝継承毒性によるラット多動性障害が相違を明らかにする。
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Causes of Carryover |
DNAメチル化の定量化に関する使途を予定している。
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