2022 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of DOHaD hypothesis of chemical-caused dopaminergic disorder
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17K09180
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
石堂 正美 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康領域, シニア研究員 (60211728)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多動性障害 / DOHaD仮説 / ADHD / ドーパミン神経系 / 発達障害 / 神経変性疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病は、ドーパミン神経変性疾患で振戦、寡動、筋固縮などが老年期で見られる。農薬ロテノンはドーパミン神経毒である。実験動物においては、たとえば成熟期のラットにロテノンを投与するとドーパミン神経の変性をきたし、寡動などのパーキンソン病の症状がみられる。一方、同じロテノンを幼若期のラットに投与すると同じようにドーパミン神経細胞死をきたすが、行動は逆に多動になる。ロテノンの幼若期曝露はドーパミン神経の発達障害をもたらし多動性障害になる。そこで、DOHaD仮説に立脚すると、幼若期でのロテノン曝露はドーパミン神経の脱落を加速し、老年期にパーキンソン病を発症するであろうと推論される。 そこで、本年度はロテノンを幼若期ラットに経口曝露し、長期モニタリングによりパーキンソン病症状である寡動がもたらされるか再度実施した。市販の妊娠Wistarラットを購入し、ドーパミン神経毒である農薬ロテノン(3 mg/kg)はオリーブオイルに懸濁した。生後5日齢に体重を約10gの仔ラットを選別して、全量30μLを経口投与した。投与後、母親に戻し、3週齢で離乳した。5週齢からSupermex(室町機械(株))を用いて自発運動量の測定を開始した。防音箱の明暗は12時間サイクルに設定した。若年期の多動性障害を確認できたラットを選別し、約71週間モニターに供した。 その結果、ラット多動性障害は8週齢で見られ、対照ラットのそれより約1.3倍亢進していた。その後、パーキンソン病の行動面での症状である寡動が惹起されか71週間モニターを続けた。しかしながら、行動面においては統計的な有意差は見られなかった。 今回の結果は、前回ロテノン(1 mg/kg)で63週モニターした結果と同じである。
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Research Products
(2 results)