2019 Fiscal Year Annual Research Report
epidermal fatty acid binding protein(FABP) in Peyer's patch: a contribution to intesitnal flora control
Project/Area Number |
17K09368
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
鈴木 良地 秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (20396550)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脂肪酸結合タンパク質 / パイエル板 / 腸内細菌叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸内細菌は個体にとって異物でありながら、完全には排除されない。腸管粘膜免疫に特定の菌株のみ排除する仕組みがあると思われる。本研究は、腸管粘膜免疫を司る主要な組織のひとつであるパイエル板における表皮型脂肪酸結合タンパク質(EpiderMal fatty acid binding protein: EFABP)がこの仕組みの一旦を担っていることを確認する目的で行った。 我々はパイエル板においてEFABPが上皮内のM細胞、上皮下で樹状細胞、マクロファージに局在することを確認していた。また、M細胞の腸管内抗原取り込みとEFABP発現の相関を確認(基盤C、22590185)した。 さらに、ビタミンA強化飼料投与でマウスM細胞でのEFABP発現増強を図ると、上皮内に遊走してくる樹状細胞の数が増えた。M細胞は腸管内の抗原を樹状細胞に渡すので、これにより抗原提示が亢進すると考えられる。 提示された抗原の排除には特異的IgAが必要である。特異的IgA産生を担う形質細胞はパイエル板内のB細胞に由来する。パイエル板胚中心マクロファージはB細胞を取り込んで取捨選択することで正常なIgA産生に貢献する。 胚中心マクロファージ周辺のB細胞ではマクロファージによる取り込みを亢進するフォスファチジルセリン(PS)増加が観察された。本来細胞内に偏在するPS はAnnexinVにより細胞表面に固定される。EFABP発現により、細胞外のAnnexinVが増加することを確認した。 まとめると、EFABPは抗原取り込み、IgA産生を正に制御しており、EFABP発現量に依存してこれらのプロセスの亢進-抑制が起きると考えられる。EFABPは不飽和長鎖脂肪酸と結合して生理活性物質として機能する。腸内細菌により腸内脂肪酸の構成が変化し、続くEFABP発現に制御されるパイエル板機能が菌株に作用することが考えられた。
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Research Products
(3 results)