2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K09480
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
永見 康明 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (70464633)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ピルフェニドン / 狭窄 |
Outline of Annual Research Achievements |
主な評価項目である肉眼的な狭窄率はControl群で61.1%、Pirfenidone 800 mg/日群で67.8%、Pirfenidone 1200 mg/日で58.1%であり、有意差は認めなかった。さらに、RT-PCR法によりTGFβ1、TNFα、IL1β、IL6、IL13、CTGF、EGF、VEGF、Fibronectin1、αSMA、Collagen1のmRNA定量を行ったが、PirfenidoneによるこれらのmRNAを低下させることを示す有意な変化はなかった。つまり、ブタにおける今回の実験の条件ではPirfenidoneの狭窄予防の効果を明らかにすることができなかった。しかし、本実験ではブタのESD後潰瘍は第14日目において、病理所見とmRNAのダイナミズムから治癒過程であることが明らかになり、さらにPirfenidoneで低下させるとされるmRNAが有意な低下を示さず、今後Pirfenidoneの用量の条件検討が必要と考えた。 ここまでの成果を2020年の国際学会と国内学会で発表した。 ラットの食道狭窄モデルの実験について報告する。SDラット、雄性、220-260 mg(8-9週齢)を使用。最初に無処置のラットを使用して、Pirfenidoneの投与量の検討を行うため、250 mg/kg、500 mg/kg、750 mg/kg、1000 mg/kgで1日1回の腹腔内投与を行った。750 mg/kg、1000 mg/kgではラットが数日後に死亡したため、500 mg/kgを最大投与量に設定した。第0日目にイソフルラン2%での維持麻酔下を行い、開腹の上、99.8%の酢酸を3分間接触させることで縦長の6×3 mmの潰瘍を腹部食道に作成した。今回、既報より大きな潰瘍を作成したことでより高度な食道狭窄モデルでの実験が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
豚コレラの流行で一時ブタの使用禁止、その後のCOVID19の流行により人的不足も一因となり、大動物を使用した実験を一旦中断し、ラットの食道狭窄モデルにおけるPirfenidoneによる狭窄予防効果を示す実験を行うことに切り替えた。 ラットモデルの利点は条件検討が比較的に容易で、より分子生物学的な検討に重きを置けることである。その理由はこれまでin vivoでの食道線維化のメカニズムを検討した報告が少なく、食道線維化のメカニズムを解明の重要性を認識したことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
最初にControl群とPFD 500 mg/kg群に割り付け、第3.6.9日目に食道を採取し、主に第3.6日目は肉眼的な潰瘍面積、第9日目は透視画像での狭窄率の評価を行う予定である。次に、Pirfenidoneの効果を検証するために上述のIL1β, TGFβなどのmRNAと蛋白量の比較を行い、最後にリコンビナントIL1βとTGFβ、抗IL1β抗体と抗TGFβ抗体を投与することで、食道線維化のメカニズムの解明を進めるとともに、Pirfenidoneの抗炎症作用と抗線維化作用による線維化の予防効果を実証する。
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Causes of Carryover |
コロナの影響で実験などが止まっていたため。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] The effect of Pirfenidone for esophageal stricture after circumferential esophageal endoscopic submucosal dissection in a porcine model2020
Author(s)
Shinji Hirano, Yasuaki Nagami, Taishi Sakai, Yuki Kakiya, Kojiro Tanoue, Kappei Hayashi, Masafumi Yamamura, Akinari Sawada, Hirotsugu Maruyama, Masaki Ominami, Shusei Fukunaga, Yuji Nadatani, Koji Otani, Shuhei Hosomi, Fumio Tanaka, Noriko Kamata, Koichi Taira, Tetsuya Tanigawa, Toshio Watanabe and Yasuhiro Fujiwara
Organizer
第99回日本消化器内視鏡学会総会
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[Presentation] THE EFFECT OF PIRFENIDONE FOR ESOPHAGEAL STRICTURE AFTER CIRCUMFERENTIAL ESOPHAGEAL ENDOSCOPIC SUBMUCOSAL DISSECTION IN A PORCINE MODEL2020
Author(s)
Shinji Hirano, Yasuaki Nagami, Taishi Sakai, Yuki Kakiya, Kojiro Tanoue, Kappei Hayashi, Masafumi Yamamura, Akinari Sawada, Hirotsugu Maruyama, Masaki Ominami, Shusei Fukunaga, Yuji Nadatani, Koji Otani, Shuhei Hosomi, Fumio Tanaka, Noriko Kamata, Koichi Taira, Tetsuya Tanigawa, Toshio Watanabe and Yasuhiro Fujiwara
Organizer
DDW2020
Int'l Joint Research