2019 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of a team specializing in thrombosis and development of preventive methods for economy-class syndrome in an emergency
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17K09556
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
坂本 憲治 熊本大学, 病院, 講師 (40530085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
掃本 誠治 熊本大学, 病院, 客員教授 (30535638)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 熊本地震 / エコノミークラス症候群 / 深部静脈血栓症 / 予防検診 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年4月に発生した熊本地震に際して頻発したエコノミークラス症候群に対して、血栓症専門チームによる予防活動の一環としてDVT(深部静脈血栓症)検診プロジェクトを組織した。多職種合同での第一回の熊本地震シンポジウムを2017年4月22日に、第二回を2018年4月22日に開催し、本研究チームを主体として、医療機関、行政、学会、マスメディアの各方面から予防に関する取り組みを議論、一般市民を対象とした市民公開講座も開催した。2017年11月11日より米国カリフォルニア州アナハイムで開催された国際学会(American Heart Association Scientific Sessions: AHA 2017)において急性期のDVTの頻度とその予測因子を発表した。慢性期の検診活動の有用性と意義を明らかにすべきと考え、仮設住宅における被災者の状況および復興状況におけるDVT陽性率の推移および急性期陽性者の経時変化(陰転化率)の現状を把握する目的で、2018年11月まで慢性期の検診活動を継続した。 検診を継続するなかで明らかになったDVTの陽性率に関する性差を、2018年11月10日より米国イリノイ州シカゴで開催された国際学会(AHA 2018)において発表した。また2年半に及ぶ慢性期検診の結果から、DVT陽性率の経時変化、および急性期DVT陽性者の慢性期の陰転化率、その規定因子に関する知見を、2019年11月16日より米国ペンシルバニア州フィラデルフィアで開催された国際学会(AHA 2019)で発表した。 国内学会でのシンポジウムやパネルディスカッションにおける発表の機会も得て、急性期の検診結果に関する医学論文をCirculation Journal誌に投稿し、アクセプトされている。災害の多発する本邦におけるエコノミークラス症候群予防のマニュアルとなることが期待される。
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Remarks |
第2回熊本地震シンポジウムではエコノミークラス症候群におけるKEEP受援マニュアルを作成し、今後の災害時の予防活動のマニュアルとして幅広く参照できる環境になっている。
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