2018 Fiscal Year Research-status Report
A role of immuno checkpoints for an immunodeficiency of patient with chronic kidney disease
Project/Area Number |
17K09725
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 明彦 東京大学, 医学部附属病院, 登録診療員 (90451806)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣見 和宏 東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (80273358)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 慢性腎臓病 / 免疫チェックポイント機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性腎臓病患者は、尿毒素の影響とされる免疫力の低下状態にさらされている。また末期腎不全により透析導入となった場合、導入後1年以内で、感染症のリスクや、がん発症率が極めて上昇することが知られている。本研究は、免疫応答の制御に関わる免疫チェックポイント機構を司るPD-1やCTLA-4分子などに着目して、慢性腎不全の免疫力低下への影響について、ヒトリンパ球を用いた免疫学的手法による解析を行う。 ヒトリンパ球を対象とした表面抗原をフローサイトメーターで検知する手法により、免疫チェックポイント機構のマーカーを個々の細胞レベルで解析することが可能であり、それらの発現細胞の割合や、抗原の発現強度を確認できる。また、免疫チェックチェックポイント機構のオン/オフにおける、リンパ球の刺激による細胞増殖やサイトカインの産生の変化を定量的に、クリアカットな検出により測定することで、機能解析を行うことが可能である。 また、腎がんや膀胱がんといった悪性腫瘍の治療として、近年抗PD-1抗体を用いた治療が行われており、ヒトリンパ球に発現するPD-1が治療に応じて、どのよう に変化するかについてもモニタリングをすることで、慢性腎臓病患者との比較を行う予定としている。 現在血液透析患者40名、腎癌患者2名、膀胱癌患者2名に対して、研究に同意いただいた方から、予定していた血液検体の採取、保存を完了した。血液透析患者からはQOL調査についても1名を除く39名から聴取を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度に血液透析患者40例、腎癌患者2例、膀胱癌患者2例、ボランティア1例からの採血検体の採取を完了し、血液透析患者39例からQOLに関するアンケートの聴取を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年度は採血検体からリンパ球を抽出し、主にフローサイトメトリーによる解析により、免疫チェックポイント機構に焦点を当てて、研究を推進する方針としている。
|
Causes of Carryover |
研究に使用する検体採取が完了し、今後解析に使用する試薬や器具を購入する予定となっているため。
|