2018 Fiscal Year Research-status Report
白血病幹細胞特異的なDNA損傷修復機構の解明と新規治療法の開発
Project/Area Number |
17K09935
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
宮崎 拓也 横浜市立大学, 医学部, 助教 (20711245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 秀明 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (30217723)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 急性骨髄性白血病 / 白血病幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
白血病幹細胞(leukemic stem cell、LSC)の化学療法抵抗性が急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia、AML)の再発機序における重要な要因であり、本研究では、LSCのDNA損傷に対する修復反応性(特に、ADP-リボシル化酵素PARP1とその関連蛋白の反応性)に注目し、LSCに特徴的なDNA修復機構を解明し、最終的には、AMLの化学療法抵抗性および治療後再発のメカニズムを明らかすることを目的とした研究である。 本研究は、実際にヒトAMLの臨床検体を対象とした研究であり、第一のステップとして、血液および骨髄中の単核球分離を行った後、フローサイトメトリー法によってLSCと非LSC分画の細胞のソーティング手法の確立を行った。実際に、少数例ではあるものの初発のAML患者より採取した骨髄中のLSC(CD34陽性CD38陰性細胞)と非LSC分画をフローサイトメトリー法によって分離し、凍結保存を行った。一方で、少数例ではあるが、AMLの分子病態に関わる遺伝子異常の有無を標的遺伝子シーケンス解析により確認した。実際には、白血病細胞よりDNAおよびRNAを抽出し、変異遺伝子解析にはDNA試料を、また、キメラ遺伝子解析はRNA試料を用いてシーケンスにより同定した。 これらのように現在はデータを蓄積している段階であり、研究実績として報告可能な成果は得られていない。そのため、学会および論文報告等の実績はない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
主研究者が臨床に負われ研究に費やす時間が取れないことや研究を行う大学院生が不在であることが主な理由である。ヒトAMLの臨床検体が得られる頻度が限られているが、対象患者の検体は少数例であることも、副次的な理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトAMLの臨床検体の有効利用と安定したフローサイトメトリー法のLSC分画と非LSC分画のソーティング手法の確立を引き続き行う。 同時に、DNA修復に関連するターゲットの検索は、ヒト白血病セルラインを用いて、予備実験を行う。
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Causes of Carryover |
研究計画通りに研究が進まなかったために、試薬の購入が制限された。 次年度は、継続してAML検体のLSCと非LSCの細胞保存と、それぞれの細胞のmRNA、蛋白の抽出を行い、PARP1等のDNA修復に関連する蛋白の発現を比較検討する予定であり、それらに必要な試薬の購入を予定している。
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