2019 Fiscal Year Annual Research Report
Role of fractalkine in monocytes in patients with rheumatoid arthritis
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17K09987
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
南木 敏宏 東邦大学, 医学部, 教授 (00282749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠 夏子 東邦大学, 医学部, 博士研究員 (10328924)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / フラクタルカイン / 単球 / 破骨細胞 / 樹状細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
関節リウマチにおけるフラクタルカイン(FKN)の作用を解明することを目的として、ヒト末梢血単球を用いて、FKN刺激による変化を検討した。 健常者より末梢血単球を単離しFKNで刺激し、培養上清中のTNF-α、IL-6濃度を測定した。これらの炎症性サイトカイン産生はFKN刺激によっても有意な変化は認めなかった。 次に、健常者より末梢血単球を単離し、さらにCD16+、CD16-の二つのサブセットに分離した。各々の末梢血単球サブセットをM-CSF + RANKLで刺激し、破骨細胞への分化能を解析した。末梢血CD16+単球は破骨細胞への分化は見られず、FKN刺激を加えても破骨細胞への分化は認めなかった。CD16-単球は破骨細胞に分化し、さらにFKNで共刺激することにより破骨細胞への分化は亢進した。またカルシウムをコートしたプレートを用いてカルシウム吸収を解析したが、FKN刺激によりカルシウム吸収も亢進した。破骨細胞分化に関わる分子発現の変化を解析したところ、M-CSF + RANKL刺激によりNFATC1の発現が上昇し、FKN刺激により更に発現上昇が見られた。インテグリンαV、β3の発現も同様に解析したが、有意な変化は見られなかった。 末梢血単球は、GM-CSF + IL-4刺激により樹状細胞に分化する。その樹状細胞をM-CSF + RANKLで刺激すると、樹状細胞からの破骨細胞への分化も認められた。さらにFKNで共刺激すると破骨細胞分化は亢進した。 これらの結果より、FKNは破骨細胞分化を亢進させる作用があり、関節リウマチにおいて炎症細胞の集簇だけでは無く、骨破壊にも関与していることが示唆された。
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