2019 Fiscal Year Research-status Report
ステロイド使用患者における潜在性結核感染症の高感度診断法の開発
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17K10024
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
前田 智代 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (70782168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 伸治 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (80381854)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | T細胞 / 潜在性結核感染 / リウマチ性疾患 / マスサイトメトリー |
Outline of Annual Research Achievements |
カルテ調査を行い、結核既往群20名、非結核暴露群15名を選出した。 PBMC層を採取し、陰性コントロール(AIMV培地)、結核特異抗原であるESAT-6ヒト結核菌に相応する合成抗原、CFP-10ヒト結核菌に相応する合成抗原、陽性コントロール(PHA溶液)を添加し16~20時間培養させた。最後の5~6時間でモネンシンを加えた。 細胞を表面抗原(CD3,CD4,CD8a,CCR4,CXCR3,CD161,CD45RO,CCR6,CD25)をそれぞれの標識抗体(マスサイトメトリー用抗体)で染色する。次に細胞内にあるIFNγ、GM-CSF、IL-2、IL-4、IL-5、IL-13、IL-10、TNF-α、IL-17A、IL-17F、MIP-1βを、それぞれの標識抗体を用いて細胞内サイトカイン染色を行った。サイトメトリー法(マスサイトメトリー)により多色解析を行い、Th17.1細胞のIFNγ産生細胞率の検出、その他のヘルパーT細胞(Th1、Th2、Treg,Th17)、CD8T細胞のそれぞれのサイトカイン産生細胞率の検出を行った。 各患者群の年齢は非結核暴露群37.93±10.7歳、結核既往群は72.00±13.21歳(P<0.001)だった。結核既往群における結核からの経過年数は、5年までが5%、5~10年が5%、10~30年が15%、30年以上が75%だった。結核のパターンは、肺結核75%、脊椎カリエス、リンパ節結核、結核性胸膜炎、粟粒結核、腸結核がそれぞれ5%だった。INH使用者は6名(30%)だった。白血球数、リンパ球数で両群で有意差を認めなかった。現在、マスサイトメトリーによる高次元データを次元削減法などを用いて、解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
検体採取後培養するための日程調整や、多色染色を行うための時間確保のため、時間がかかった。また、マスサイトメトリーを用いて網羅的に高次元解析を行うこととしたため、マスサイトメトリーの受託解析の準備と、統計ソフトRとサイトメトリーデータ解析ソフトFlow Joを用いて次元削減解析の準備に時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、すでに得られたマスサイトメトリーデータの、高次元データを次元削減をもちいて解析し、結核抗原に特異的に反応する細胞群と、非特異的な細胞群のフェノタイプを明らかにする。結果を学会発表、論文とする予定である。
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Causes of Carryover |
患者検体を用いた研究であり、患者受診時に検体を採取することから、予定どおりに来院されない場合もあり、検体採取が予定よりやや遅れた。マスサイトメトリーによる受託解析とすることで、当初の予定より、より詳細に解析することとなったため、受託解析の準備、打合せに時間がかかった。令和2年度には、得られたマスサイトメトリーの高次元データの解析を詳細に行い、必要な追加実験(再解析)や学会発表、ならびに論文作成をすすめるために次年度使用額を使用する予定である。
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