2020 Fiscal Year Research-status Report
ステロイド使用患者における潜在性結核感染症の高感度診断法の開発
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17K10024
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
前田 智代 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (70782168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 伸治 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (80381854)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | T細胞 / 潜在性肺結核 / リウマチ性疾患 / マスサイトメトリー |
Outline of Annual Research Achievements |
R2年度は、H31年度に続いて、免疫抑制治療下の結核既往群20名、非結核暴露群15名の結核特異抗原を添加し16~20時間培養させた末梢血T細胞のマスサイトメトリーデータの解析を行った。 CD3+T細胞中のIFN-γ high細胞陽性率は、非結核暴露群0.18%、結核既往群0.50%で有意差を認め(P=0.040)結核既往群で増加し、TSPOT値とIFN-γ+/CD3+T細胞陽性細胞率は正の相関を認めた。結核既往の診断をROCカーブを用いて解析を行うと、TSPOT-TBは特異度100%、感度50%に対し、CD3+T細胞中のIFN-γ+/CD3+T細胞陽性細胞率(カットオフ値0.12%)では、特異度87%、感度55%、IFN-γ high+/CD3+T細胞陽性細胞率(カットオフ値0.03%)で、特異度80%、感度65%だった。 結核既往群において特異的に増加している結核特異抗原IFN-γ産生T細胞群の探索のため、IFN-γ陽性細胞分画のみを高次元解析を行った。Self organizing mapによるクラスタリングにてIFN-γ陽性T細胞は10のクラスター(Cluster A~J)に分類され、そのうち、IFNγを高発現するものが三群みとめた(Cluster, C, E, H)。この三群の中でGM-CSFを同時に高発現するCD4+CD8+のCluster Cは、非結核暴露群でも割合が多く、非特異的であった。一方GM-CSF低値でIL-2を高発現するCD4+のCluster E、およびCD161,CD25を表面抗原として発現するCD4+のCluster Hは、有意に結核既往群IGRA陽性群で上昇していた。これらの細胞群が免疫抑制治療患者における結核暴露の特異的診断に有用である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞解析は終了したが、その膨大な高次元データ解析に時間がかかった。現在論文投稿準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究はほぼ完成し、論文作成中である。R3年度は、論文投稿後、レビューアーに指摘された点について再実験や再解析を行い、論文受理を目指す。
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Causes of Carryover |
R2年度に論文投稿とする予定であったが、高次元データの解析に時間がかかってしまったため、遅れが生じた。R3年度で論文投稿するため、論文の英語校正や学会発表、レビューアーから指摘される必要な追加実験(再解析)をすすめるために次年度使用額を使用する予定である。
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