2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new therapeutic agents for clarithromycin-resistant pulmonary MAC disease
Project/Area Number |
17K10041
|
Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
中田 登 国立感染症研究所, ハンセン病研究センター 感染制御部, 室長 (70237296)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 仁彦 国立感染症研究所, ハンセン病研究センター 感染制御部, 室長 (20569694)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | MAC症 / クラリスロマイシン / 薬剤耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、日本国内の非結核性抗酸菌(NTM)症の患者数は著しい増加傾向にあり、2014 年の肺NTM症新規登録患者数は結核患者とほぼ同数の年19,000人であることが報告されており、今後も患者数の増加が見込まれる。NTM 症の原因菌として9 割以上を占めるのがMycobacterium avium complex (MAC)であるが、肺MAC 症治療にはマクロライドであるクラリスロマイシンがキードラッグとなっている。しかし、クラリスロマイシン耐性菌の出現や薬物間相互作用の問題があり、肺NTM 症に対して有効な経口投与抗菌薬は存在しないのが現状であるが、この危機的状況下にも関わらずNTM をターゲットとした抗菌薬開発は始まっていない。そこで、クラリスロマイシン耐性肺MAC症に有効な薬剤の開発のため、肺MAC症患者由来クラリスロマイシン高度耐性(>256μg/mL)のMAC 41株について、37種のアベルメクチン誘導体の効果を測定した結果、MAC41株全てに対して抗菌活性を示す誘導体5種を見出した(MIC50=2-4μg/mL)。これら5種は、クラリスロマイシンが14員環であるのと異なり16員環マクロライド化合物であったことから、新規合成されたアベルメクチン誘導体は、既存のマクロライドのターゲット部位である50SリボソームのDomeinⅤ領域内に構成されるPeptidyl transferase center(PTC)の2057-2059 部位ではなく、未知の分子を標的部位としていることが示唆された。マクロファージ分化THP-1細胞を使用したex vivoによる抗菌活性試験では、これら5種の誘導体が細胞内のMACに対しても抗菌効果を発揮し、これらの抗菌活性は既存のイベルメクチンよりも高いことが明らかとなった。
|