2019 Fiscal Year Research-status Report
Cinical appication of uroflowmetry in age before toilet training
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17K10164
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
兼松 明弘 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (90437202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥越 一平 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (40134663)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | オムツ / 尿流測定 / 排尿 / 乳幼児 / 寝たきり老人 |
Outline of Annual Research Achievements |
2011年よりオムツをセンサーとした測定システムの開発を熊本大学と開始し、2019年にシステムの完成に至った。この間の変遷と問題点は以下の通りである。第一段階:オムツと基盤をわけたシステムではおむつから基盤へ信号が伝達される段階での計測値の「なまり」が生ずることが問題であった。第2段階:おむつに電極を縫い込む方法で、計測精度は飛躍的に上昇したが、電流の安全性の問題が残った。現段階では電極を縫い込んだ2枚の布おむつで吸水層のオムツを挟むかたちで重層化することにより、被験者体内での電流は理論的には生じない回路構成となっている。これにより理論値と計測値が安定して一致する信頼性のある計測システムとなるとともに、おのおののオムツの厚みを調整することで小児から成人サイズまでのスケールアップが可能となった。
現在のシステムの課題として、臨床使用に当たっての使用者および被検者の利便性を上げるために、排尿を検知して検者に伝えるテレメトリー機能および、インピーダンスデータが即時に波形に変換される機能を付加し、さらにい商品化の際の採算性を担保する必要がある。現在、熊本大学と橋渡しベンチャー企業であるマイクロニクス(株)との間で、この課題を解決して臨床適用可能なフォーマットを作成中である。
本システムは熊本大学知財部で新規性ありと判断され、兵庫医科大学と共同で現在特許出願済みである。本研究の初期部分について2017年に第34回センシングフォーラムにて熊本大学は優秀賞を受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでに8年を材料開発に費やして、使用可能な段階に至っている。この理由としては、以下の3つが挙げられる。(1)熊本震災による研究中断や、新型コロナウイルスによる大学閉鎖などの外的要因。(2)研究開発段階での試行錯誤の都度に熊本大学での担当学生・院生が交代してきたこと。(3)開発品の臨床応用における計測精度について、医療側のニーズが開発側に十分に伝わっておらず、必要とされるよりも高精度のものを探求したこと。(4)橋渡しベンチャーへの技術移転の前に、特許取得をすすめる必要があったこと。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のシステムの課題として、臨床使用に当たっての使用者および被検者の利便性を上げるとともに、商品化の際の採算性を担保する必要がある。現在、熊本大学と橋渡しベンチャー企業との間でこの課題を解決して臨床適用可能なフォーマットを作成中である。残る研究期間中にこのシステムを利用して二つの課題を解決する。 (1)成人サイズのオムツを用い、本システムでの尿流率の測定精度を、秤式排尿装置をベンチマークとして検証する。さらに排尿姿勢と尿流率の関連が発生するかどうかという人間工学的問題を検証する。 (2)オムツ型測定法のメリットが特に高い乳幼児を対象として倫理委員会の決裁ののちに臨床研究を行う 方法①:小児サイズのオムツ型排尿装置の性能のvalidationを両親が同意した乳幼児ボランティア男女各3名について解析する。 方法②:尿道下裂5例に対する尿道形成術の前後の排尿状態の評価に使用する。術前の入院中、術後1ヶ月、3ヶ月および1年後に外来にてオムツ型尿流測定を施行する。目標症例数は本研究期間中に5例とする。有用性が証明されれば、今後は多施設共同研究に拡げて施行する。
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Causes of Carryover |
製品研究開発が特許取得などのために2019年度で終了せず、臨床試験の予定が2020年度にずれこんだための資金を残す必要があったため。
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Research Products
(1 results)