2017 Fiscal Year Research-status Report
早産児の腸管マイクロバイオームと網羅的遺伝子発現の解析及び母体腟細菌叢移植の検討
Project/Area Number |
17K10173
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
垣内 五月 東京大学, 医学部, 講師 (20447395)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | マイクロバイオーム / 遺伝子発現解析 / 新生児 / 免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回の研究においては、最終的には早産児の腸管マイクロバイオーム形成について検討し、網羅的遺伝子発現解析を行い、それらの関連について明らかにすることを目標としている。さらに介入試験として、帝王切開児に対して、母体腟細菌叢移植し、介入効果の検討を行う予定である。今年度は第一段階として、正常対照を定義することから開始することとなった。そこで、これまでにデータのない、早産児でない日本人正常新生児におけるマイクロバイオーム形成状況を明らかにするため、東大病院にて出生した新生児をリクルートし、出生後から検体を定期的に採取して時系列に検討するという計画を立案した。実際の研究開始にあたっては、最初に便検体の採取・保存・解析の最適化を検討する予備実験を行い、条件検討を行った。また、網羅的遺伝子発現解析のため、正常成人ボランティアの血液検体を使用して、サンプルの採取・保存・解析の条件検討を行った。次に、平成30年1月からは実際に新生児のリクルートを開始し、サンプル採取を開始している。平成30年4月25日現在19例の新生児がエントリーした。これらの新生児から出生直後にまず便検体を採取した。さらにマススクリーニング採血のタイミングで、網羅的遺伝子発現解析のための血液検体採取を行っている。さらに、研究参加者には、一か月健診の際に、新生児のマイクロバイオーム形成および遺伝子発現においてに交絡因子となり得るような生活習慣や体質や既往歴などに関するアンケート調査を配布し、それについても順調に回答を得られているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでのところ、予備実験において便検体の扱いを最適化でき、血液検体についても単核球分離を行うことで遺伝子発現解析を最適化できている。また、新生児のリクルート・検体採取も順調に行えている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き新生児のエントリーを増やし、目標数に到達したところで一旦エントリーを打ち切り、解析に移行する。その後は早産児の検体採取および解析にとりかかり、早産児での特徴がある程度判明したところで介入試験の開始について検討する。
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