2019 Fiscal Year Annual Research Report
The role of autophagy in starvation response immediately after birth
Project/Area Number |
17K10182
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
関口 和人 大分大学, 医学部, 助教 (40437926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮原 弘明 愛知医科大学, 付置研究所, 講師 (00457615)
花田 俊勝 大分大学, 医学部, 教授 (10363350)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | オートファジー / 新生児 / 飢餓 |
Outline of Annual Research Achievements |
新生児は出生時に経胎盤の栄養供給が突然遮断され、哺乳が可能になるまでの間に厳しい飢餓に直面する。グリコーゲンの貯蓄が枯渇するとともに、脂肪酸酸化、ケトン体産生、糖新生が飢餓対応として活性化する。成体マウスにおいては、飢餓時のエネルギー維持には、特に肝臓のオートファジーが重要であることが示されている。新生児においてもその間の栄養学的に不利な状況への適応としてオートファジー誘導が大切と推察される。この研究では、肝臓特異的オートファジー欠損マウスにおける出生直後飢餓時の血清栄養関連代謝物の構成を分析し、新生児において肝臓オートファジーの欠損がメタボロームに影響を及ぼすかどうかを検討した。 出生直後の飢餓期における肝臓のオートファジー欠乏は、生存率に有意差をもたらさなかったが、絶食負荷後の血清代謝物構成に差異をもたらした。血清代謝物の差異はグルコースでは認められず、アミノ酸、遊離脂肪酸で顕著であった。肝臓特異的オートファジー欠損マウス新生児の絶食負荷後の血清代謝物構成は、メタボローム解析により、対照群と区別することが可能であった。 これらの結果は、哺乳類においてすべからく訪れる新生児飢餓期において、新生児肝臓オートファジーが、生命維持に必須とは言えないものの、エネルギー維持機構の一役を担っていることを示唆した。一方、血清グルコース濃度に差異がみられなかったことは、肝臓内、肝臓外に何らかの代償機構が作動することが示唆され、新生児期の飢餓対応機構のさらなる解明が必要と考えられた。
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