2018 Fiscal Year Research-status Report
次世代核磁気共鳴イメージング撮像法の周産期脳障害への応用研究
Project/Area Number |
17K10191
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
池野 充 順天堂大学, 医学部, 助教 (00567985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 正明 順天堂大学, 医学部, 准教授 (40334867)
奥村 彰久 愛知医科大学, 医学部, 教授 (60303624)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 拡散MRI / 早産児 / 脳性麻痺 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の平成29年度の目標は②正常モデルの構築、③試験的なデータ収集であった。H30年度の研究内容として、まず③で得られたデータの検討を行った。 当院で出生した早産児24症例(平均在胎 31週3日、平均出生体重1508g)を対象として、修正38~39週に拡散MR画像を取得した。ワークステーション上で、解析ソフトとしてVolume-oneVer.1.81とdTV FZRx、MATLAB R2016を用いてマルチモダリティー画像を再構成した。関心領域は両側の視床・被殻・内包後脚と脳梁膝部、膨大部とし、拡散テンソル、拡散カトーシス、NODDIの解析値を取得した。臨床経過と解析値との関連性を検討したところ、ODI(神経突起の散乱を反映するパラメータ)やICVF(神経突起の密度を反映するパラメータ)は画像を取得した修正週数の影響を強く受けていることが分かった。 神経の髄鞘化が著しく進む新生児期には、ODIやICFVも著しく変化する。このことから、個々の症例における差を正確に評価するには撮像時期の統一、もしくは2点で比較しての数値の変化率を評価する必要があると考えられる。上記の検討内容を第60回日本小児神経学会学術集会で報告した。 新生児症例以外では片側巨脳症の新生児例に対して拡散MR画像を経時的に撮像し、治療や手術の影響が病側や健側の拡散パラメータにどのように影響を与えているかを解析した。結果は第13回小児神経放射線研究会で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
H30年度の研究目標は④本撮像とデータ解析、⑤臨床経過と発達追跡、⑥妥当性と有用性の評価である。④は順調に症例蓄積を続けており、⑤に関しても1歳6か月時点での発達評価を外来診療録から調査し集積中である。引き続きH31年度も継続する。 H30年度の研究内容から、マルチモダリティ画像から得られたパラメータの評価方法を再検討する必要性がでてきた。新しい評価方法を試している。 これらをもってやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
H31年度の研究計画はおおむねH30年度と同じである。加えて他の医療機関での撮像データを比較して本研究の妥当性を検討する。
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Causes of Carryover |
解析に使用する機器について、一部が大学に既存のワークステーションを利用できたこと、データの記録デバイスの価格が急激に下がっていることに起因する。 解析効率を上げるために、改めて新規のワークステーションの購入を計画中である。
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Research Products
(2 results)