2018 Fiscal Year Research-status Report
Notchシグナルによるオートファジー制御とストレス応答機構における役割の解明
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17K10218
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
森山 麻里子 近畿大学, 薬学総合研究所, 准教授 (40595295)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Notchシグナル / 皮膚 / 創傷治癒 / 乾癬 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、Hes1の創傷治癒時における機能を解析するために、Hes1floxマウスとK14-CreERT2マウスを導入し、表皮特異的・タモキシフェン誘導型Hes1ノックアウトマウスの作成を行った。4-ハイドロキシタモキシフェン(4-OHT)を10 mg/mLに調整し、0.1 mL(1 mg)ずつ連続5日間腹腔内投与を行ったところ、Hes1flox/floxマウスでは表皮におけるHes1の発現が、著しく低下することを免疫染色、qPCRによって確認した。さらに、4-OHT投与後、背中皮膚に直径6 mmの全層欠損創を作製し、傷の治癒率について観察を行ったところ、表皮特異的Hes1コンディショナルノックアウトマウスでは創傷治癒が遅れることを確認した。また、傷の収縮によるartifactを避けるため、全層欠損創作成後、シリコンリングを創傷部位に貼付する方法も試し、同様な結果を得た。現在、Hes1が創傷治癒を遅らせるメカニズムを調べるために、創傷治癒時の背中皮膚表皮よりRNAを抽出し、網羅的な遺伝子解析を行っているところである。 また、創傷治癒と関連があると思われる、乾癬発症機序についても興味を持ち、現在表皮特異的Hes1コンディショナルノックアウトマウスにイミキモドを塗布し、乾癬発症について観察を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定とは異なり、主にin vivoの研究を中心に行っており、in vitro解析はあまり進んでいない。しかし、in vivoの結果は当初の予定以上の結果が出ているため、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度は、引き続き表皮特異的・タモキシフェン誘導型Hes1ノックアウトマウスの解析を行っていく。現在までに、Hes1コンディショナルノックアウトマウスでの表皮で特異的に発現量の差異がある遺伝子がいくつか見つかっているため、今後はそれらの解析を行っていきたい。また、さらに網羅的な解析を試みるため、マイクロアレイもしくはRNA-seqを行い、さらに候補遺伝子を見つけていきたいと予定している。 さらに、このコンディショナルノックアウトマウスから初代ケラチノサイトを樹立し、in vitroによるwound healing実験や、インターロイキンなどによる増殖アッセイも行いたい。マウス表皮からのケラチノサイト樹立方法は既に確立しており、さらにwound healing実験や増殖アッセイの系も立ち上がっているため、すぐに実験に取りかかることが可能である。
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Causes of Carryover |
今年度はin vivoによる解析が主だったため、予定していた予算よりも少ない予算で済んだ。また、最終年度にマイクロアレイもしくはRNA-seqによる網羅的遺伝子解析を予定しており、それに使用する予算が必要であったため。
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Research Products
(8 results)