2017 Fiscal Year Research-status Report
Health status and suicidal behavior among young employees in Japan
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17K10348
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
山内 貴史 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (10598808)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 勤務問題 / 自殺 / 過労自殺 / 若年層 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、わが国において長時間労働や職務ストレスによる精神障害・自殺が深刻な問題になっている。本研究では、既存統計資料を活用して勤務問題による若年被雇用者の自殺死亡の特徴の分析を行った。2014年~2016年におけるA県の警察自殺統計の提供を受け分析を実施した。3年間の自殺死亡者のうち、被雇用者1,200人を本研究の分析対象とした。被雇用者の自殺死亡者のうち、約35%が39歳以下であった。残差分析の結果、職業については、「サービス業従事者」で39歳以下が多かった。自殺の原因・動機のひとつに「勤務問題」が報告されていた被雇用者は全体の20%であり、39歳以下で多い傾向がみられた。39歳以下の被雇用者の23%で「勤務問題」が自殺の原因・動機のひとつとして挙げられており、原因・動機として最も多かった。また、「勤務問題」がみとめられた事例の半数以上は「勤務問題」のみが報告されていた。原因・動機として「勤務問題」が報告されていた事例を年齢層別に分析した結果、「勤務問題」以外の原因・動機としては、年齢層を問わず「健康問題」が多かった。「勤務問題」の詳細について見ると、39歳以下、40歳以上ともに「仕事疲れ」が最も多かったが、40歳以上では「職場環境の変化」が多いのに対し、39歳以下では「職場の人間関係」が多い傾向がうかがえた。本研究の結果は、若年被雇用者における、長時間労働による過労や職場の人間関係などの勤務問題に関連する自殺予防対策の重要性を示唆するものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した計画のとおりに進捗しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
わが国における代表サンプルを用い、業種・職種を考慮しつつ、若年労働者の労働時間・雇用形態などの要因と健康状態との関連を検討するためのデータセット構築および予備解析を実施予定である。
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Causes of Carryover |
年度途中で所属研究機関を変更し、学会出張などを他の経費でまかなうことができたため。次年度は学会出張などの経費は本研究費から支出する。
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