2019 Fiscal Year Research-status Report
Quality assessment and quality control of digital breast tomosinthsis
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17K10375
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
村上 隆介 日本医科大学, 医学部, 准教授 (30267215)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 乳房 / トモシンセシス / デジタルマンモグラフィ / 画質評価 / 被曝 / 品質管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、乳房デジタルトモシンセシス(DBT)の基本的性能・精度を検証し、さらにはその性能を維持するための品質管理方法について検討することを目的としている。昨年度までに本邦で臨床使用しているDBTシステム4機種を用い、①画像コントラスト(SDNR)、②X,Y,Zの3軸方向の幾何学的歪み・空間分解能(full width at half maximum; FWHM) ③アーチファクト(ASF : Artifact Spread Function) の評価を行った結果、画像再構成法の進歩によるSDNRの改善とX,Y,Zの3軸方向のFWHMやアーチファクト出現に各種DBTシステムでの違いがあり、臨床における病変描出に変化が生じる可能性があることが示唆された。 本年度、新たにDBTの被曝低減に向けた研究を行った。臨床評価において圧迫圧(平均)はCC=74N、 MLO=77N。平均乳腺線量(平均)は2D CC=1.06mGy、MLO=1.04 mGy、 2D+DBT CC=2.66mGy、MLO=2.65 mGyであった。圧迫乳房厚は平均乳腺線量に影響し、圧迫圧は平均乳腺線量に相関しないことも示唆された。併せて、BR3D ファントムと超軟質ウレタン樹脂を用いて作成したSimulated breast ファントムを使用した基礎実験を行い、薄いファントム厚では圧迫圧を変えてもAGDはほぼ同じ値であったが、厚いファントム厚では圧迫圧を減弱するとAGDは上昇する傾向がみられた。これらの圧迫圧と画質の実験からは,圧迫圧の約20%低減においても画質の低下はみられなかった。ある程度の圧迫圧を低減することが可能であり、被検者の苦痛などを軽減できる方法についてもより考察していく必要があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度までの目標である、DBTの画質評価と品質管理、被曝低減に向けた画質評価の研究も遂行でき、当初の計画以上に進展している。この理由として、前年度の研究進展が良好であったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度のDBTの被曝低減に向けた検証、そして被曝の解決策として、近年DBT画像から作成される2D 近似画像:2D synthetic mammography (2DSM)が着目されており、海外ではその有用性が評価されている。そのため、2DSMの画像評価および臨床的検討も追加研究として実施、現在継続中である。
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Causes of Carryover |
当初購入を予定していた、画像保存用ディスク、画像処理ソフトウェアが当初の予定より少なく済んだため。今年度は学会等での成果報告、現在準備中の英語論文の英文校正費、投稿費用に支出予定である。
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