2020 Fiscal Year Research-status Report
Quality assessment and quality control of digital breast tomosinthsis
Project/Area Number |
17K10375
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
村上 隆介 日本医科大学, 医学部, 准教授 (30267215)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 乳房 / マンモグラフィ / トモシンセシス / 画質評価 / 品質管理 / 被ばく |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、乳房デジタルトモシンセシス(DBT)の基本的性能・精度を検証し、さらにはその性能を維持するための品質管理方法について検討した。 DBTの画質は、主としてX線管振り角・断層撮影線量・画像再構成法・画像処理などにより影響を受けるが、各種DBTシステムの画像生成過程は異なっており、画質に差異をもたらしている。本邦で臨床使用されているDBTシステム4機種を用い、①画像コントラスト(SDNR)、②X,Y,Zの3軸方向の幾何学的歪み・空間分解能(full width at half maximum; FWHM) ③アーチファクト(ASF : Artifact Spread Function) の評価を行った結果、画像再構成法の進歩によるSDNRの改善とX,Y,Zの3軸方向のFWHMやアーチファクト出現に各種DBTシステムでの違いがみられ、臨床における病変描出に変化が生じる可能性があることが示唆された。 また、DBTの被曝低減に向けた検討では、臨床評価での乳房圧迫圧(平均)はCC=74N、 MLO=77N。平均乳腺線量(平均)は2D CC=1.06mGy、MLO=1.04mGy、 2D+DBT CC=2.66mGy、MLO=2.65 mGyであった。圧迫乳房厚は平均乳腺線量に影響し、圧迫圧は平均乳腺線量に相関しないことも示唆された。併せて、BR3Dファントムと超軟質ウレタン樹脂を用いて作成したSimulated breast ファントムを使用した基礎実験を行い、薄いファントム厚では圧迫圧を変えてもAGDはほぼ同じ値であったが、厚いファントム厚では圧迫圧を減弱するとAGDは上昇する傾向がみられた。これらの圧迫圧と画質の実験からは,圧迫圧の約20%低減においても画質の低下はみられなかった。ある程度の圧迫圧を低減することが可能であり、被検者の苦痛などを軽減できる可能性も示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究進展が良好であったため、昨年度までに ①DBTの画質評価・品質管理 ②DBTの被ばく低減に向けた画質評価の研究は終了している。 、
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Strategy for Future Research Activity |
乳房トモシンセシス撮影における画質評価・品質管理、併せて、被ばく低減について検証した。今後の推進方策としては、画質向上と診断能向上に留意しながら,臨床画像を含めた更なる検討が必要と考えられる.また、被ばく低減の解決策として、近年DBT画像から作成される2D 近似画像:2D synthetic mammographyが着目されており、海外ではその有用性が評価されている。そのため、2D synthetic mammographyの画像評価および臨床的検討も今後の研究課題である。
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Causes of Carryover |
学会発表や論文投稿については、今年度未達成であった。従って、来年度に残りの助成金を発表・論文投稿のために使用予定である。
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