2017 Fiscal Year Research-status Report
肺癌の個別化ゲノム医療に向けた定位放射線治療感受性のバイオマーカー探索
Project/Area Number |
17K10482
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大賀 才路 九州大学, 大学病院, 助教 (90380427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 武志 九州大学, 大学病院, 助教 (20419534)
浅山 良樹 九州大学, 医学研究院, 教授 (40380414)
吉武 忠正 九州大学, 医学研究院, 講師 (40452750)
浅井 佳央里 九州大学, 大学病院, 助教 (40635471)
本田 浩 九州大学, 大学病院, 教授 (90145433)
野元 諭 九州大学, 大学病院, 准教授 (90258608)
平田 秀成 九州大学, 大学病院, 医員 (90721267)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 治療効果予測バイオマーカー / 次世代シークエンサー / ゲノム変異解析 / 定位放射線治療 / 肺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は肺癌の遺伝子異常プロファイルをもとに耐性メカニズムを検討し、個別化ゲノム医療へ応用可能な治療効果予測バイオマーカーを探索することである。 定位放射線治療を行う原発性肺癌例と放射線治療後局所再発例の生検組織に対して次世代シークエンサーを用いた包括的ゲノム解析とRNAシークエンスによる遺伝子発現解析を行う。次世代シークエンサによる包括的ゲノム解析では、これまで放射線治療の耐性に寄与すると言われてきた遺伝子変異のみならず、それ以外の変異遺伝子を全エキソンレベルにて検出する。RNAシークエンスではTopHat/Cufflinksによる解析パイプラインを使用し、リード数を基に各遺伝子の発現量を定量化する。融合遺伝子による異常トランスクリプトームの発現も解析対象とする。最終的には、定位放射線治療の感受性を規定する遺伝子発現異常を検出する。その後、上記の結果を統合解析し、定位放射線治療の感受性に寄与する遺伝子異常を多層で検討する。また、本研究では構造異型も検出可能な手法を用いており、ゲノム構造異常により生じる異常転写産物が、定位放射線治療の効果予測バイオマーカになり得るか検討する。 29年度は定位放射線治療を実施した原発性肺癌症例4例の治療前生検組織を採取した。組織型は腺癌2症例、扁平上皮癌2症例であった。全例病期はT1aN0M0であった。治療としては定位放射線治療48Gy/4Frが実施された。現時点では臨床上、全例とも再発は認めていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
原発性肺癌に対して定位照射実施施設の増加に伴い、当院での定位照射実施件数減少している。これは、全国的にも同様の傾向で、早期に定位照射を開始した多くの施設にて実施件数が減少している。また、定位照射実施症例は、高齢や合併症などのため手術拒否もしくは手術不可能な患者群になるため、生検組織採取に患者の同意が得られにくいことも理由の一つであった。
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Strategy for Future Research Activity |
生検組織を用いたゲノム解析とRNAシークエンスによる遺伝子発現解析には時間を要するため、症例蓄積と並行して次世代シークエンサーを用いたゲノム解析とRNAシークエンスを用いた遺伝子発現解析を行う。また、症例蓄積の速度を上げるため、カンファレンスなどにて定位照射適応患者を積極的にリクルートする予定である。
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Causes of Carryover |
症例蓄積の遅延のため、最も経費のかかるゲノム解析・RNAシーケンスによる解析が前年度では実施できなかった。本年度からは現在採取できている組織に対してゲノム解析・RNAシーケンスによる遺伝子発現解析を生検組織の蓄積と同時平行にて行う予定である。
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Research Products
(1 results)