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2018 Fiscal Year Research-status Report

Atg5非依存的オートファジー誘導活性化合物のマウス腸炎モデルに対する効果の検討

Research Project

Project/Area Number 17K10632
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

松田 宙  大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00379207)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 水島 恒和  大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (00527707)
西村 潤一  地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, 消化器外科副部長 (20379209)
清水 重臣  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (70271020)
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords炎症性腸疾患 / オートファジー
Outline of Annual Research Achievements

平成30年度研究実績
①安全性の評価:薬剤性腸炎誘導マウスにおいて、サンプルAの投与による肝毒性および他臓器毒性を確認した。肝酵素(ALT)においてサンプルA投与群とコントロール群において有意な差は確認されなかった。また、各群の心臓、肝臓、腎臓、脾臓を摘出しHE染色後の組織を顕微鏡下で観察したところ、両群間に差は観察されなかった。よって、サンプルA投与による他臓器毒性は観察されなかった。
②天然物の関与成分の同定と作用機序解明:サンプルAを用いてオートファジー誘導に関する検討を実施した。
in vitroにおける検討として、腸管上皮由来細胞株Caco2細胞において、天然物サンプル添加によるオートファジー誘導効果を検討した。サンプルAの添加により、オートファジーの代表的なマーカーとして知られるLC3において、濃度依存的なオートファジー誘導効果を確認し、オートファジー阻害剤により、それらの効果が減弱したことから、サンプルAの添加によるLC3依存的なオートファジーが誘導が示唆された。また細胞免疫染色の検討においては、サンプルAの添加によりLC3-Ⅱの発現増強が確認できた。
in vivoにおける検討として、腸炎モデルマウスにおいてサンプルAの投与により、腸炎緩和効果がオートファジーを介した効果であることを確認する目的で、作用部位の探索を実施した。腸炎を誘導しない正常のマウス腸管を、セルソーターを用いて、上皮、間質系細胞、マクロファージ及び樹状細胞の大きく3つの分画に分け、WBにてオートファジー関連たんぱくの発現を確認した。結果、上皮においてLC3の発現が増強され、さらにはサンプルAの投与群で強い発現を認めた。また、炎症腸管上皮においても同様の結果を認めた。また腸管の免疫染色の結果より、LC3-Ⅱの発現がサンプルA投与群で増強していることが確認できた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

平成30年度は安全性評価のみを実施するつもりであったが、早期に安全性の確認が行えたため、平成31年度計画に記載していた②天然物の関与成分の同定と作用機序解明を前倒しにて実施した。それらのうち、in vitro並びにin vivoにおける検討において、SampleAが細胞株並びにマウス腸管上皮においてもオートファジーを誘導する可能性を示唆する結果を得た。またオートファジー以外を介してSampleAが作用している可能性についても模索した。腸炎モデルマウスにおいて、関連が示唆される以下の項目について非炎症時の腸管を検討した。
1.上皮のバリア機能評価:FITC Dextranを用いた検討により、SampleA投与によって腸管透過性がコントロールと比較して有意に低下した。このことから上皮のバリア機能がSampleAの投与によって維持できたことが示唆される。
2.抗菌ペプチド産生:抗菌ペプチドを代表するマーカーであるmuc1-3, saa2,3などをqRT-PCRにて確認したところ、マウス腸管においてコントロール群と比較してSampleA投与による有意な差は観察されなかった。
3.Tight Junctionの評価:Tight Junction代表するマーカーであるClaudin, βcateninなどをqRT-PCRにて確認したところ、マウス腸管上皮においてコントロール群と比較してSampleA投与による有意な差は観察されなかった。
4.サイトカイン産生:粘膜固有層におけるサイトカイン産生を確認したところ、IL6の産生がSampleA投与群で有意に抑制された。その他代表的なサイトカイン(IL-1β, TNF-α, IFN-γ, IL-10など)においては群間で有意な差は観察されなかった。
平成31年度は計画書にて予定していた残りのコンディショナルノックアウトを用いた検討、並びにKO細胞株を用いた検討を実施することとする。

Strategy for Future Research Activity

平成31年度の研究計画③天然物の関与成分の同定と作用機序解明の続き
<KO細胞株を用いた作用点の同定>Sample Aのオートファジー活性化分子機構を解明する。マウス胎児由来線維芽細胞株(MEF)において、オートファジー関連経路(Atg5, Atg9など)をKOした6種類の細胞にSampleAを添加、オートリソソームの集積を指標にSampleAが調整に働くオートファジー作用点の探索を行う。
<コンディショナルノックアウトマウス(Atg7F/F Villin-cre)を用いた検討>腸管上皮特異的にオートファジーを欠損させたコンディショナルノックアウトモデルを用いた実験を実施する。このマウスにおけるサンプルAの腸炎緩和効果を確認し、オートファジーを介した有効性の確認を行う。
これまでの検討結果並びに本年度の結果をまとめ、オートファジー誘導天然物(SampleA)が腸炎緩和をもたらすメカニズムとオートファジーを介した腸炎治療の可能性についての結論を導き出し考察する予定である。

Causes of Carryover

今年度に行うはずの作業が、次年度に持ち越されてしまったため、その費用分を次年度に繰り越しをした

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Published: 2019-12-27  

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