2019 Fiscal Year Annual Research Report
Vasa Vasorum in Abdominal Aortic Aneurysm
Project/Area Number |
17K10751
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
田中 宏樹 浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (50456563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 優子 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (20345812)
浦野 哲盟 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50193967)
佐野 秀人 浜松医科大学, 医学部, 助教 (80623842)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 大動脈瘤 |
Outline of Annual Research Achievements |
2光子顕微鏡法による腹部大動脈壁内の観察手法を構築のために、腹腔内、特に大血管の観察手技について、観察するモデル動物の安定した環境(バイタルサインや体位の確保等)が重要であったため、固定器具を作製し再現性のある観察技術を確立した。 安定した観察手法から、大動脈瘤壁内のvasa vasorum血流の可視化と定量解析を行うことを試み、大動脈瘤壁内のvasa vasorum血流をリアルタイムイメージングし、その変化(血管径、血流方向、血流量)を求めたが、観察時の血管壁の露出の際に、微細な出血を繰り返し観察を妨げるため定量化には至らなかった。 そのため、大動脈瘤における血流異常が引き起こす細胞動態と低酸素環境の変化は、出血による影響から動態を検証することができなかった。 vasa vasorum血流の変化は可視化されるだけでなく、血流の方向、すなわち動静脈の区別、ドレナージ機構の変化(TanakaH,2014 PLoS ONE)も見出されることが期待され、大動脈壁内の微小循環動態や病的意義が明らかにされると考えている。これまで、臨床におけるAAAの病状の進展評価、すなわち破裂を予防する外科手術のタイミングは、血管径や形状のみに委ねられてきた。しかし、その基準にそぐわない症例は少なくない。既に、臨床の超音波技術は血管壁内の血流をある程度可視化できるが、より些細な血管壁内の循環動態の変化を見出す技術が確立したとき、vasa vasorumの血流解析は、血管壁の性状(質的)評価の一項目として有用な因子となり、手術適応の補助因子になりうると考えられ、今後も基礎的な研究は必要と考えられる。
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