2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K10786
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
吉田 光輝 徳島大学, 病院, 講師 (30403710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 和也 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (10263815)
川上 行奎 徳島大学, 病院, 特任講師 (00596249)
鳥羽 博明 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (40403745)
河北 直也 徳島大学, 病院, 特任助教 (60522266)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 肺再生医療 / マウス肺移植 / ips細胞 / GFPマウス / 胎児肺 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス肺移植による肺再生医療研究の可能性(胎児肺組織,ips細胞と肺疾患モデル(肺気腫)を使用して)を探求する研究を予定している。肺は気道から肺胞にかけて上皮系と間葉系細胞が精細な細胞外マトリックス上に配置された複雑な臓器である。肺の再生医療への取り組みは,その構造と修復機序の複雑さ故に研究デザインに関しては工夫が必要であり,マウス肺移植手技を同実験にとりいれた。申請者が習得したマウス肺移植手技を使用し,これまで研究してきた胎児肺組織と,肺気腫モデルを使用し,障害肺を再生へ導く細胞の由来,分化の仕方,必要な蛋白,時間的経過などのより詳しい機序を探求し,肺の再生医療へさらに踏み込むことを目標にし,マウス肺移植といった新しい手技を使用する研究であり,技術的に非常に難しい研究である。申請者はトロント大学で取得しているが,共同実験者は未経験であること,また,使用する機器が,海外のものと異なることもあり,マイクロスコープや手術器具,麻酔薬の規格(キシラジン、ケタミン)も異なり,手技の安定化に時間を要している。ここに時間をかける理由は,申請している研究内容の中で大きな領域を占める処置であることから,安定化が非常に重要であるからである。現時点で,当大学のサイクロトロン棟にマウス飼育,CT撮影装置,移植実験室を備えた場所を確保し,小動物用麻酔器,人工呼吸器,手術用のマイクロスコープを段階的に揃えている。マウスに苦痛を与えない麻酔手技や,マウスの麻酔に関して,回路の設定,麻酔状態の確認,挿管手技(トロントでのマイクロスコープと少し異なり,挿管がやや困難にて再訓練に時間を要している),また,手術手技などを再確認し,いつでも移植実験にとりかかることのできる処置面での準備はほぼ完成してきた。肺移植に必要な用具などが海外と日本では仕様が異なるため,その選定にやや時間を要している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現時点で、当大学のサイクロトロン棟にマウス飼育、CT撮影装置、移植実験室を備えた場所を確保し、小動物用麻酔器、人工呼吸器、手術用のマイクロスコープを段階的に揃えている。マウスの麻酔に関して回路の設定、麻酔状態の確認、挿管手技(トロントでのマイクロスコープと少し異なり、挿管がやや困難にて再訓練に時間を要している)、また、手術手技などを再確認し、いつでも移植実験にとりかかることのできる処置面での準備はほぼ完成してきた。肺移植に必要な用具などが海外と日本では仕様が異なるため、その選定にやや時間を要している。マウス肺移植手技に時間をかける理由は、申請している研究内容の中で大きな領域を占める処置であることから、安定化が非常に重要であるからである。
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Strategy for Future Research Activity |
肺移植手技の安定化の後,肺気腫マウスドナーを作成し,同肺をGFPマウスに移植する実験系をまず施行したい。肺気腫マウスは豚膵エラスターゼの気道内投与にて作成するが,これにも手技の安定化が必要である。また,胎生期肺組織由来のsingle cellペレットをドナーへ播種させ,GFPレシピエントへ移植する実験系も同時にすすめたい。胎児肺ペレットの作成はこれまで経験してきた手技からある程度の短期間で安定する予定である。
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Causes of Carryover |
マウスの麻酔に関して回路の設定,麻酔状態の確認,挿管手技(トロントでのマイクロスコープと少し異なり,挿管がやや困難にて再訓練に時間を要している),また,手術手技などを再確認し,いつでも移植実験にとりかかることのできる処置面での準備に時間をかけてきたため,GFPマウスなどの購入が遅れ,未使用分が生じている。また肺移植に必要な用具などが海外と日本では仕様が異なるため、その選定にやや時間を要している。上記のために,薬品,マウス購入などに使用できていない未使用分が生じている。GFPマウスの購入、その他細胞培養試薬の購入、マウス管理費用、麻酔薬購入費用に使用する予定である。
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