2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K10786
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
吉田 光輝 徳島大学, 病院, 講師 (30403710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 和也 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (10263815)
川上 行奎 徳島大学, 病院, 特任講師 (00596249)
鳥羽 博明 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (40403745)
河北 直也 徳島大学, 病院, 特任助教 (60522266)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肺再生医療 / マウス肺移植 / ips細胞 / GFPマウス / 胎児肺 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス肺移植による肺再生医療研究の可能性(胎児肺組織、ips細胞と肺疾患モデル(肺気腫)を使用して)を探求する研究を予定している。肺の再生医療研究は、モデルの工夫が必要であり、マウス肺移植手技を同実験にとりいれた。昨年度は肺移植の手技に関わる小動物用麻酔器機のマウスの人工呼吸に必要な至適な換気量、麻酔深度、換気回数、重圧式、重量式換気などを検証し、左開胸にて肺門部を操作する状況で、麻酔の安定を確認した。挿管から開胸、閉胸に至る手技の安定性をマウス実験における訓練にて確保してきた。マウスへの全身麻酔下での胎児肺移植や細胞移植の訓練も同時に行い、開胸にて安定した移植手技を肺移植とともに行うことができるよう実験し、手技を確立した。当該年度予定の、胎生期肺由来sing cell ペレットをドナーへ播種させ、GFPレシピエントへ移植する過程は遅れているが、マウスの胎児肺は大変小さく、マイクロスコープにて取り出し、ペレットにする訓練をした。マイクロスコープ、気管切開挿管での犠牲死と、サンプル採取の訓練も同時に行った。組織をホモジェナイズする(サイトカイン測定のため)ために、凍結保存する方法を確立し、小さなマウスサンプルから十分な情報を得るためのサンプル採取(右肺、左肺の採取とパラフィン包埋、右心室からの採血を気管切開挿管管理下で0.5mlから1.0mlの十分な量の血液を採取する方法、左肺の一部を生標本で切除し、OCTコンパウンドに入れて液体窒素内へ保存する方法、ホモジェナイズの手技など)を当該年度に確立してきた。コロナ禍においてGFPマウスの獲得が困難であり、胎児肺ペレットからのGFPマウス使用の段階でやや遅れてはいるが、その間は十分な上記訓練を確立してシミュレーションし、研究がすすめばいつでも取り掛かることができる準備を当該年度に行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
肺移植の手技に関わる小動物用麻酔器機のマウスの人工呼吸に必要な至適な換気量、麻酔深度、換気回数、重圧式、重量式換気などを確立し、左開胸にて肺門部を操作する状況で、麻酔の安定を確認した。胎児肺組織をマイクロスコープにて取り出し、それをペレットにする訓練をした。マウスの胎児肺は大変小さく、これをマイクロスコープにて取り出す手技を訓練し確立してきた。マイクロスコープ、気管切開挿管での犠牲死と、サンプル採取の訓練も同時に行った。組織をホモジェナイズする(サイトカイン測定のため)ために、凍結保存する方法を確立し、小さなマウスサンプルから十分な情報を得るためのサンプル採取(右肺、左肺の採取とパラフィン包埋、右心室からの採血を気管切開挿管管理下で0.5mlから1.0mlの十分な量の血液を採取する方法、左肺の一部を生標本で切除し、OCTコンパウンドに入れて液体窒素内へ保存する方法、ホモジェナイズの手技など、今後のサンプル採取に必要な手技を当該年度に確立してきた。このような工程が予想していた以上に繊細な技術が必要で、その確率に時間を要した。コロナ禍において十分な時間が取れなかったことも要因となる。また、GFPマウスの獲得が困難であり、胎児肺ペレットからのGFPマウス使用の段階でやや遅れてはいるが、その間はしっかりと、上記訓練をして、シミュレーションし、いつでもとりかかれる準備を当該年度に行なってきた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はマウス胎児肺のペレットを移植する手技に向かう予定である。GFPマウスの安定した獲得をし、胎児肺の移植と左肺移植の実験にとりかかる。その下で重要となるのは、マウスへの手術手技を再現性のあるものとし、精度の高い手技を安定させて確立する予定である。そのもとで、ips細胞の移植実験に向かう。これまでにない、肺の再生医療に関するモデルマウスの作成が最終的な目標である。
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Causes of Carryover |
GFPマウスの獲得が遅れたことが要因であることと、ips細胞への研究がその分遅れたことで支出が減ったことが要因である。コロナ禍での十分な準備ができなかったことも一つの要因である。残額はGFPマウスの購入とips細胞の管理、またマウス処置の酸素ガスや試薬購入に使用する予定である。
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