2018 Fiscal Year Research-status Report
もやもや病感受性遺伝子RNF213変異による脳血管疾患発症の遺伝・環境要因の解明
Project/Area Number |
17K10818
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
小久保 安昭 山形大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (40343074)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | モヤモヤ病 / RNF213 / 頭蓋内主幹動脈狭窄 |
Outline of Annual Research Achievements |
山形県対脳卒中治療研究会脳卒中登録に登録されたモヤモヤ病患者73例において遺伝子解析を行い、52例(71.5%)にRNF213変異があることを明らかにした。さらに非モヤモヤ病と診断され、危険因子のない前方循環頭蓋内主幹動脈狭窄あるいは閉塞症患者34例において同様に遺伝子解析を行い、8/34(23.5%)に変異を認めた。以上より、RNF213変異はモヤモヤ病のみならず、頭蓋内狭窄あるいは閉塞症症例においても、健常人と比べて頻度が高く、その発症に関与している可能性が示唆される。さらに、RNF213変異のある症例の家族27例におけるスクリーニングも行い、19/27(70.4%)に遺伝子変異を認めた。このうち5例(26.3%)でモヤモヤ病、1例で脳主幹動脈閉塞を認めた。この結果、RNF213変異症例の家族のスクリーニングもモヤモヤ病及び脳主幹動脈狭窄あるいは閉塞症の早期診断に有用である可能性を示した。 現在、山形コホート研究の登録症例においてRNF213変異の有無と脳卒中の発症率との相関、さらにはGWASによりRNF213以外に関わる遺伝子の検索を行っている。また、遺伝子情報のみならず、一般的な脳卒中の危険因子である高血圧症、脂質異常症、糖尿病、脳卒中の既往、喫煙、飲酒についても行っている。これらの分析することによって、頭蓋内主幹動脈狭窄あるいは閉塞症に関わる新たな疾患概念確立に寄与できる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
山形コホート研究データと山形県対脳卒中治療研究会のデータ照合に時間要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
山形コホート研究データと山形県対脳卒中治療研究会のデータの照合を早急に完了させて、遺伝子解析をすすめる。
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Causes of Carryover |
遺伝子解析を次年度以降に行うこととしたため。
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