2018 Fiscal Year Research-status Report
脳動脈瘤破裂予防を目指したinflammasomeに関する基礎的研究
Project/Area Number |
17K10831
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
多田 恵曜 徳島大学, 病院, 特任講師 (30547964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼松 康久 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (90363142)
島田 健司 徳島大学, 病院, 特任講師 (60624351)
高麗 雅章 徳島大学, 病院, 助教 (60794013)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脳・神経 / 脳動脈瘤 / inflammasome / 薬物治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳動脈瘤破裂予防に対する有効な薬物治療を確立するために申請者らは独自に確立したエストロゲン欠乏脳動脈瘤ラットモデルを確立し、様々な薬効の承認薬を用いて薬物治療効果を検討した結果、降圧薬のミネラロコルチコイド受容体阻害薬の有効性を見出し、臨床においてパイロット試験を行い、9㎜以下の未破裂脳動脈瘤に対して破裂抑制効果が認められることを初めて報告した(J Stroke Cerebrovasc Dis, 2018)。一方、破裂予防のために、破裂にいたる病態を脳動脈瘤破裂モデルにおいて解析し、破裂しやすい血管壁ではIL-1β, MMP-9の高い発現が見られることを報告した。IL-1βやMMP-9の活性化はinflammasome(NLRP3, ASC, Casp-1の複合体)の活性化が関与することから、今年度は脳動脈瘤破裂とinflammasomeとの関連性を調べた。エストロゲン欠乏状態ではエストロゲン受容体α(ERα)の発現低下に伴い、inflammasomeの発現増加を認めた。現在、脳血管内皮細胞や平滑筋細胞においてエストロゲン欠乏状態では酸化ストレスに関連した分子の増加に反して、抑制系の分子が低下することを明らかにしており、結果的にinflammasome構成分子NLRP3の発現増加を観察している。これまでの経過をまとめ2019年2月に米国で開催されたInternational Stroke Conferenceで発表している。現在、論文化に向けて必要なデータの解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
再現性のある脳動脈瘤破裂モデルが誘導され、破裂好発部位でのinflammasome構成分子NLRP3の高い発現を確認できている。また破裂好発部位でのIL-βやMMP-9 の発現も確認できている。エストロゲン受容体との関連性やそれに伴う酸化ストレス関連分子との関係性も見出している。
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Strategy for Future Research Activity |
破裂好発部位でのinflammasome構成分子NLRP3やIL-βやMMP-9 の発現とエストロゲン欠乏状態でのエストロゲン受容体発現との関連性やその抑制分子との関連性を明らかにするための検討を継続し、国際学会での成果発表や英文雑誌への投稿・掲載の準備を進める。
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Causes of Carryover |
(理由) 実験の結果が予測されたものと異なったため、購入物品の変更とその必要期間の変更が生じたため。 (使用計画) 試薬等の物品費として次年度の研究にて使用する。
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Research Products
(3 results)