2017 Fiscal Year Research-status Report
グレード2/3神経膠腫に対するWT1免疫療法の開発と抑制系/促進系免疫作用の評価
Project/Area Number |
17K10881
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
泉本 修一 近畿大学, 医学部, 准教授 (40324769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 天美 近畿大学, 医学部, 教授 (00233776)
奥田 武司 近畿大学, 医学部, 講師 (10340796)
藤田 貢 近畿大学, 医学部, 准教授 (40609997)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 悪性脳腫瘍 / 神経膠腫 / 免疫療法 / WT1 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス担脳腫瘍(神経膠腫)モデルおよびヒト神経膠腫においてWT1ワクチン治療前後の局所での獲得性免疫動態を明らかにし、グレード2/3神経膠腫に対するWT1ワクチン治療の開発を行うことを本研究の目標としている。 Ⅰ:マウス担脳腫瘍(神経膠腫)モデルは、C57BL/6マウスに限定してモデルとして用い、(i) 正常マウスおよび( ii ) 担脳腫瘍(203Gマウスグリオーマ細胞由来)マウスを作成した。それらに対し、脳組織でCD4陽性細胞、CD8陽性キラーT細胞を免疫組織学的に同定し、その集族や時間的動態を明らかにした。コントロールとして行った正常マウスに対して、担脳腫瘍マウスの脳では、限局性であったが免疫担当細胞の集族が認められ、局所獲得免疫細胞として評価した。 Ⅱ:ヒトにおいて、グレード2/3神経膠腫初回摘出時および再手術時の腫瘍組織および辺縁組織を用いて検討した。それぞれの腫瘍組織においてWT1の発現およびCD4、CD8陽性キラーT細胞を免疫組織学的に同定し、その免疫担当細胞の集族を明らかにした。全ての腫瘍細胞でWT1は発現されていたが、グレード3に比べグレード2神経膠腫に弱い傾向があった。辺縁組織でも腫瘍細胞には発現が見られた。 初年度の研究実績として、年度末に研究責任者の所属が変更することとなり研究体制の変更を要し、実験を再構築する必要があったため時間を要し満足のいくものではなかった。しかしながら免疫治療の継続実績があり初年度から治療関連で学会発表や論文投稿ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Ⅰ:C57BL/6マウスをモデルとして用い、( I ) 正常マウスおよび( ii ) 担脳腫瘍(203G由来)マウスを作成した。それらに対して脳組織でCD4陽性細胞、CD8陽性細胞を免疫組織学的に同定し、その集族や時間的動態を明らかにした。コントロールとして行った正常マウスに対して、担脳腫瘍マウスの脳では、限局性であったが免疫担当細胞の集族が認められ、局所獲得免疫細胞として評価した。 Ⅱ:ヒトにおいて、グレード2/3神経膠腫初回摘出時および再手術時の腫瘍組織および辺縁組織を用いて検討した。それぞれの腫瘍組織においてWT1の発現およびCD4、CD8陽性細胞を免疫組織学的に同定し、その免疫担当細胞の集族を明らかにした。全ての腫瘍細胞でWT1は発現されていたがグレード2神経膠腫に弱い傾向があった。今後WT1ペプチド投与下での局所獲得免疫細胞を同定する。 初年度の研究実績として、年度末に研究責任者の所属が変更することとなり研究体制の変更を要し、実験を再構築する必要があったため時間を要し満足のいくものではなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
Ⅰ:C57BL/6マウスをモデルとして用い、( I ) 正常マウスおよび( ii ) 担脳腫瘍(203G由来)マウスを作成した。それらに対して脳組織でCD4陽性細胞、CD8陽性細胞を免疫組織学的に同定し、その集族や時間的動態を明らかにした。コントロールとして行った正常マウスに対して、担脳腫瘍マウスの脳では、限局性であったが免疫担当細胞の集族が認められ、局所獲得免疫細胞として評価した。今後の方策として、マウスclass Ⅰ拘束性WT1ペプチド(CTLエピトープ)を投与し、その免疫反応、組織反応を詳細に検討する。 Ⅱ:ヒトにおいて、グレード2/3神経膠腫初回摘出時および再手術時の腫瘍組織および辺縁組織を用いて検討した。それぞれの腫瘍組織においてWT1の発現およびCD4、CD8陽性細胞を免疫組織学的に同定し、その免疫担当細胞の集族を明らかにした。全ての腫瘍細胞でWT1は発現されていたがグレード2神経膠腫に弱い傾向があった。今後の推進方策として、WT1ペプチド投与下での局所獲得免疫細胞を同定する。さらに、免疫変動因子の可能性があるステロイド併用治療時、抗てんかん薬併用治療時の免疫担当細胞の動態解析を行う。
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Causes of Carryover |
研究責任者の勤務地変更が年度末にあり研究体制の再構築があり研究進行が予定よりも若干遅れ新たに治療研究目的で使用予定のペプチド作成依頼請求が遅延している。今後新規業者に依頼および請求を行う予定である。
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Research Products
(4 results)