2019 Fiscal Year Annual Research Report
Impact of epilepsy surgery to functional brain network analyzed with fMRI self-oscillation signals
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17K10912
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
加藤 天美 近畿大学, 医学部, 教授 (00233776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 久 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (50278735)
露口 尚弘 近畿大学, 大学病院, 准教授 (50295705)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | fMRI / てんかん外科 / 脳機能ネットワーク / 高ガンマ活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
難治てんかんに対する離断外科治療は強力な効果があるが、無効あるいは発作再発が少なからず存在し、その機序は明らかでない。本研究ではfMRIの局所BOLD信号の揺らぎを計測し、自己共振に基づいた難治てんかん離断手術前後の広域脳機能ネットワークの解析を行った。またfMRI信号変化領域と脳活動に伴う電気生理学的変化の相関性について皮質高振幅脳波を測定することで検討した. 脳梁離断を施行した難治てんかん患者に対して手術前後の変化を検討するため安静時fMRI検査を施行した。解析にあたって、関心領域は視床並びにDMN を構成する内側前頭前野・左右下頭頂小葉・後帯状皮質に設定した。相関係数は視床間で顕著に低下し左右下頭頂小葉、後帯状皮質-右下頭頂小葉間で有意差がみられた。同期性スパイクは有意に低下し、同期スパイク波発生頻度も有意に低下した。脳梁離断した症例では部分発作、全般発作、失立発作は減少した。以上から、脳梁離断術により発作頻度が減少し左右の同期性スパイク波の出現並びに出現頻度の低下が得られることが示された。また、安静時fMRIで両側視床間の結合が低下したことから脳梁が両側視床の機能的結合にきわめて重要な役割を担っている可能性が考えられた。解剖学的に視床間は視床間橋で連絡しているが、視床間橋に交連繊維は含まれておらず、脳梁によって間接的に結合し同期性活動を行っている可能性が示唆された。 また、覚醒下手術のもとで皮質電極上リアルタイムに高ガンマ波帯の活性部位を同定するプロトコールを加えた.てんかん患者と脳腫瘍患者を含む症例で、fMRIでの高信号部位と高ガンマ波活性部位は重なることが示された.しかし、前者の方が広い領域での活動を示す傾向にあった. fMRI大まかな活動部位の同定にスクリーニング的に有用で有り、高ガンマ活動部位が最重要の領域と考えている.
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