2017 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the molecular mechanism of invasion and metastasis of human sarcomas via tumor-derived exosomes and its applicaion to novel therapies.
Project/Area Number |
17K10969
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
森田 卓也 岡山大学, 大学病院, 医員 (10743007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
魚谷 弘二 独立行政法人国立病院機構四国がんセンター(臨床研究センター), その他部局等, レジデント (30708087)
尾崎 敏文 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (40294459)
國定 俊之 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (80346428)
藤原 智洋 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (80639211) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 肉腫 / microRNA / exosome / 転移 / 浸潤 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
肉腫患者血清・肉腫細胞株培養上清から得られた検体を用い、RNA抽出を行い、microarray・qRT-PCRにより疾患特異的なmicroRNA(miRNA)を同定した。次にそれらのmiRNAと臨床経過との相関を確認した。患者の治療経過に伴い(初診時、術前・後、化学療法前・後)疾患特異的miRNAも変動することを示し、miRNAの発現と臨床経過には相関関係を認めた。さらにそれらのmiRNAが各肉腫において転移、浸潤の強い患者血清群で有意に高値であることも示された。 次に、同様の検体から超遠心法・EV-second法によるexosome抽出を確立し、exosome内のmiRNA解析をq-RT-PCRにより行い、上述した疾患特異的なmiRNAが内包されていることを明らかにした。さらに、肉腫由来のexosomeをeducateした正常細胞では、肉腫特異的miRNAの発現が有意に高くなることを証明しparacrine機構の可能性が示唆された。つまり肉腫細胞より分泌されたexosomeに内包され、miRNAが安定して血中に分泌・運搬され、腫瘍周囲もしくは離れた正常細胞に取り込まれることが示された。 また使用する肉腫細胞株がヌードマウスに生着することは示され、同マウスの血清でもこれら特異的なmiRNAは有意に高値を示した。 最後にこれら疾患特異的なmiRNAの機能解析を行った。一部の肉腫において、特異的なmiRNAを過剰発現させることにより腫瘍細胞の浸潤能が増大することをin vitroにて確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度に行う予定であるmiRNA/exosomeと浸潤・転移の関与における機能解析を行ううえで、各肉腫における特異的なmiRNAの同定、さらにはexosomeの抽出方法の確立ができており平成30年度の実験へとつなぐことができる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の結果として得られた、肉腫特異的なmiRNAやexosomeを用いて浸潤・転移に関わる機能解析をfunctional assayを行い検討する。さらには、これらmiRNAやexosomeを投与することで発現が上がるタンパクの同定も行う予定としている。それらが浸潤・転移を引き起こすmechanismの一旦を担っていると考えられる。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由;標的タンパクの解析を一部次年度に行うこととしたため、必要となる経費を次年度使用とした。また、当初計画どおりに実施したところ、消耗品が予定より安価に調達できたため 使用計画;次年度はまず、特定されたmiRNA/exosomeのin vitroでの機能解析をさらにすすめる。その上で機能解析における試薬等、解析における機材の購入。これら機能解析により転移・浸潤に関与することを示されたら、治療機序の検討をすすめる。これら肉腫特異的miRNAやexosomeの阻害、またタンパクの阻害を行うことで肉腫の進行を抑制できるかin vitroでの検討を行い、in vivoにつなげる。これらに必要な試薬、マウス、またタンパクを同定する上での解析において経費が必要となる。これら解析結果の発表(国際学会を含む)において必要となる。
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