2017 Fiscal Year Research-status Report
genetic analysis of causative factors for congenital scoliosis
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17K10986
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
渡邉 航太 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (60317170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 和樹 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (50594735)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 先天性側弯症 / 遺伝子 / 全エクソン解析 / 肋骨癒合を伴う先天性側弯症 |
Outline of Annual Research Achievements |
先天性側弯症 (Congenital scoliosis: CS) は、発症頻度は0.5-1/1000 (出生) 程度であり比較的稀な疾患であるが、その遺伝的背景は未だ不明である。われわれは、日本人CS 94症例に対して遺伝子解析を行い、日本人CSの約10%がTBX6遺伝子の変異によって起こることを明らかにした。また、CS集団では、TBX6遺伝子のnonsense mutationやframeshift mutationといったnull mutationだけではなく、複数の新規missense variantが集積していた。われわれはそれらmissense variantに対して、機能解析を行い、一部のmissense mutationはnull mutationであり、CS発症に関与していることを明らかにし、TBX6遺伝子関連CSの頻度は10%よりも多いことを明らかにした (Takeda et al、2017)。また、体節形成の時期に重要な役割を果たすNotch signaling pathway geneであるDLL3、MESP2、LFNG、HES7、RIPPLY2、TBX6は肋骨癒合を伴う多発椎体奇形を来たすSCDの原因遺伝子として報告されている。われわれは、日本人CS 78例に対して全エクソン解析を行い、78例中1例にLFNG遺伝子にミスセンスバリアントのヘテロ接合性を同定した。両バリアントとも非常にまれなバリアントであり、変異予測プログラムおよびLFNGタンパクの酵素活性実験により変異であると判定し,日本人CSに対する大規模な全エクソン解析によりLFNG遺伝子は、CSの新規原因遺伝子であることを明らかにした (Takeda et al、2018 in progress).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
われわれは, 日本人CS 94症例に対して遺伝子解析を行い, 日本人CSの約10%がTBX6遺伝子の変異によって起こることを明らかにした (Takeda et al, 2017). また, 日本人CS 78例に対して全エクソン解析を行い, 78例中1例にLFNG遺伝子にミスセンスバリアントのヘテロ接合性を同定した. 両バリアントとも非常にまれなバリアントであり、変異予測プログラムおよびLFNGタンパクの酵素活性実験により変異であると判定し,日本人CSに対する大規模な全エクソン解析によりLFNG遺伝子は, CSの新規原因遺伝子であることを明らかにした (Takeda et al, 2018 in progress). また, この78例のエクソームデータを独自の解析パイプラインを用いて新規原因遺伝子の探索を行っている. さらに, 現在のところ, 約200家系のCSおよび肋骨癒合を伴うCS (いわゆるSCD) 患者のDNA検体及びその両親のDNA検体を収集済みであり, 今後, 全エクソン解析を予定している. 現在まで, 遺伝子解析及び検体収集は概ね予定通りに遂行されていると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
78例のエクソームデータを独自の解析パイプラインを用いて新規原因遺伝子の探索を行っている. 同定された遺伝子異常, 稀なSNP候補群を症例および両親のゲノムDNAを用いてサンガーシークエンス等で検証していく. さらに, 収集済みであるCSおよび肋骨癒合を伴うCS (いわゆるSCD) 患者のDNA検体及びその両親のDNA検体に対して全エクソン解析を行う予定である. しかし, CSおよびSCDは, 様々な併存症を有している症例が多く, 非常にheterogeneousな疾患であるため, 全エクソン解析を行う前にまずは表現型を詳細に解析し, 共通の表現型を有する疾患群としてデータ解析が必要であると考えられる. 同定された遺伝子変異を有する症例を蓄積し, 患者の表現型 (側弯の特徴, 部位, タイプ,重症度, 進行性, 合併異常, 治療反応性など) と遺伝子型の関係を評価することにより, その特徴を明らかにする. これにより目下, 異質性に富んだ疾患の集合であるCSの再分類を図り, 予後の判定や最適な治療法の確立の基盤を確立する.
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Causes of Carryover |
すでに保持している試薬、資材を用いたため、予定していた予算より使用金額が少なくなった。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Compound Heterozygosity for Null Mutations and a Common Hypomorphic Risk Haplotype in TBX6 Causes Congenital Scoliosis.2017
Author(s)
Takeda K, Kou I, Kawakami N, Iida A, Nakajima M, Ogura Y, Imagawa E, Miyake N, Matsumoto N, Yasuhiko Y, Sudo H, Kotani T, Japan Early Onset Scoliosis Research Group, Nakamura M, Matsumoto M, Watanabe K, Ikegawa S
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Journal Title
Human Mutation
Volume: 38
Pages: 317-323
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Response to Lefebvre et al.2017
Author(s)
Takeda K, Kou I, Kawakami N, Yasuhiko Y, Ogura Y, Imagawa E, Miyake N, Matsumoto N, Sudo H, Kotani T, Japan Early Onset Scoliosis Research Group, Nakamura M, Matsumoto M, Watanabe K, Ikegawa S.
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Journal Title
Clinical Genetics
Volume: 92
Pages: 563-564
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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