2018 Fiscal Year Research-status Report
genetic analysis of causative factors for congenital scoliosis
Project/Area Number |
17K10986
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
渡邉 航太 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (60317170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 和樹 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (50594735)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 先天性側弯症 / TBX6遺伝子 / 脊椎肋骨異骨症 / LFNG遺伝子 / 全エクソン解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
先天性側弯症 (以下、CS) は、0.5-1人/1000出生と比較的稀な疾患であり、未だ病因は不明である。2015年に中国人のCSの約10%が、転写因子TBX6の遺伝子のリスクハプロタイプと、機能喪失を引き起こす遺伝子変異のヘテロ接合性によって引き起こされると報告された。われわれは、日本人CS 94症例に対してTBX6遺伝子解析を行い、日本人CSの約10%がTBX6遺伝子の変異によって起こることを明らかにした。また、CS集団では、TBX6遺伝子に複数の新規ミスセンス変異が集積しており、機能解析の結果、一部のミスセンス変異は機能喪失変異であることを明らかにした (Takeda et al. 2018)。われわれは、さらに症例数を増やし、CS 196例、SCDO 4例に対して次世代シークエンサーを用いて遺伝子解析を行い、新規変異を同定した。同定したTBX6遺伝子のミスセンス変異の機能解析により、従来示されていた転写活性の低下だけでなく、TBX6タンパク質の細胞内局在異常 (核外への移行) が存在し、かつそれが主な病因であることを明らかにした。(Otomo et al. 2018)。これまでの報告では、CSに関与する遺伝子はTBX6のみであった。次にわれわれは、日本人CS 78例に対し、全エクソン解析を行った。78例中1例にLFNG遺伝子にミスセンス変異のヘテロ接合性を認めた。両変異とも変異予測プログラムおよびLFNGタンパクの酵素活性実験により変異であると判定し、LFNG遺伝子がCSの新規原因遺伝子であることを明らかにした (Takeda et al. 2018)。
今後、引き続き全エクソン解析で新規候補遺伝子の探索を継続する。とくに発生期の体節形成期に発現している遺伝子を中心に検索を進め、より効率的にCSの原因遺伝子の同定を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度の業績として、以下の3論文がacceptされている。 1.日本人CS 94症例に対してTBX6遺伝子解析を行い、日本人CSの約10%がTBX6遺伝子の変異によって起こることを明らかにした。また、CS集団では、TBX6遺伝子に複数の新規ミスセンス変異が集積しており、機能解析の結果、一部のミスセンス変異は機能喪失変異であることを明らかにした (Takeda et al. Humant Mutation 2018)。
さらに症例数を増やし、CS 196例、SCDO 4例に対して次世代シークエンサーを用いて遺伝子解析を行い、新規変異を同定し、機能解析により、従来示されていた転写活性の低下だけでなく、TBX6タンパク質の細胞内局在異常 (核外への移行) が存在し、かつそれが主な病因であることを明らかにした。(Otomo et al. Journal of Medical Genetics 2018)。
また、CSの新規原因遺伝子の探索を行うべく、日本人CS 78例に対し、全エクソン解析を行った。同定されたバリアントの機能解析により、LFNG遺伝子がCSの新規原因遺伝子であることを明らかにした (Takeda et al. Molecular Genetics & Genomic Medicine 2018)。
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Strategy for Future Research Activity |
現在300家系を超える検体数を採取できており、引き続きエクソーム解析で新規候補遺伝子の探索を継続する。とくに発生期の体節形成期に発現している遺伝子を中心に検索を進め、より効率的にCSの原因遺伝子の同定を目指す。 また遺伝型と表現型の関連性についてもこれらの遺伝情報と臨床データを整理し、明らかにすることを目指す。
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Causes of Carryover |
当初予定した学会への参加費、交通費等が別資金により支払われたため、使用金額が当初の予定より減少した。本年は海外への学会出張を予定しているため、予定通りの支出が見込まれる。また、引き続き全エクソン解析で新規候補遺伝子の探索を継続する。とくに発生期の体節形成期に発現している遺伝子を中心に検索を進め、より効率的にCSの原因遺伝子の同定を目指すため、予定している物品費の支出が見込まれる。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Bi-allelic loss of function variants of TBX6 causes a spectrum of malformation of spine and rib including congenital scoliosis and spondylocostal dysostosis.2018
Author(s)
Otomo N, Takeda K, Kawai S, Kou I, Guo L, Osawa M, Alev C, Kawakami N, Miyake N, Matsumoto N, Yasuhiko Y, Kotani T, Suzuki T, Uno K, Sudo H, Inami S, Taneichi H, Shigematsu H, Watanabe K, Yonezawa I, Sugawara R, Taniguchi Y, Minami S, Kaneko K, Nakamura M, Matsumoto M, Toguchida J, Watanabe K, Ikegawa S.
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Journal Title
Journal of Medical Genetics
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Identification of novel LFNG mutations in spondylocostal dysostosis.2018
Author(s)
Otomo N, Mizumoto S, Lu HF, Takeda K, Campos-Xavier B, Mittaz-Crettol L, Guo L, Takikawa K, Nakamura M, Yamada S, Matsumoto M, Watanabe K, Ikegawa S.
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Journal Title
Journal of human genetics
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Screening of known disease genes in congenital scoliosis.2018
Author(s)
Takeda K, Kou I, Mizumoto S, Yamada S, Kawakami N, Nakajima M, Otomo N, Ogura Y, Miyake N, Matsumoto N, Kotani T, Sudo H, Yonezawa I, Uno K, Taneichi H, Watanabe K, Shigematsu H, Sugawara R, Taniguchi Y, Minami S, Nakamura M, Matsumoto M; Japan Early Onset Scoliosis Research Group, Watanabe K, Ikegawa S.
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Journal Title
Molecular Genetics & Genomic Medicine
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] BX6 遺伝子の missense 変異は TBX6 の細胞内局在異常による機能の喪失により 先天性側弯症を引き起こす2018
Author(s)
大伴直央, 武田和樹, 小倉洋二, 川上紀明, 小谷俊明, 須藤英毅, 米澤郁穂, 宇野耕吉, 種市 洋, 渡辺 慶, 三宅紀子, 南 昌平, 重松英樹, 菅原 亮, 谷口優樹, 中村雅也, 松本守雄, 渡邉航太, 千葉一裕, 池川志郎
Organizer
第33回 日本整形外科学会基礎学術集会
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