2019 Fiscal Year Annual Research Report
genetic analysis of causative factors for congenital scoliosis
Project/Area Number |
17K10986
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
渡邉 航太 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (60317170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 和樹 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 訪問研究員 (50594735)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 先天性側弯症 / TBX6 / 脊椎肋骨異形成症 |
Outline of Annual Research Achievements |
先天性側弯症 (CS) は椎体形成異常による側弯症で、より重症な脊椎肋骨異形成症 (SCD) は肋骨や脊柱に重篤な形成異常を来たす骨系統疾患である。今回、TBX6 ミスセンス変異を機能解析し、患者のiPS細胞を用いてその病態を検討した。サンガー法、またはexomeシーケンス、Luciferase assayを用いた。更に、患者由来のiPS細胞を作成し、これをTBX6が最も強く発現する体節形成期まで誘導し、TBX6の発現と細胞内局在異常の有無を確認した。その結果、新たに3つのミスセンス変異を同定した。これらと既報の変異、計13変異の機能を解析した。転写活性を低下させる変異を2個、蛋白質の細胞内局在異常を起こす変異を8個、同定した。SCD症例でのみ両アレルに機能喪失変異を持つ症例を、3例認めた。機能解析の結果より、機能喪失を来す変異を両アレルに持つと表現型も重症になることが分かった。両アレルに機能喪失変異を有するSCD患者のiPS細胞においても、TBX6蛋白質の細胞内局異常を確認した。さらに、TBX6およびその下流の遺伝子の発現も健常人と比べ低下していることがわかった。本研究により、1) 転写活性低下のないミスセンス変異でも、TBX6蛋白質の細胞内局在異常により機能喪失を引き起こすこと、2) ミスセンス変異の多くは細胞内局在の異常を起こすこと、3) 両アレルに機能喪失変異を持つと、より重篤なSCDを発症することが分かった。また、SCD患者のiPS細胞で実際にTBX6蛋白質の細胞内局在異常が生じることを確認した。TBX6の発現及び下流の遺伝子の発現も低下していたことから、TBX6蛋白質の核内移行障害によるポジティブフィードバックの阻害が主な病態であると考えられた。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Identification of novel LFNG mutations in spondylocostal dysostosis2019
Author(s)
Otomo N, Mizumoto S, Hsing-Fang Lu, Takeda K, Belinda Campos-Xavier, Laureane Mittaz-Crettol, Long Guo, Takikawa K, Nakamura M, Yamada S, Matsumoto M, Watanabe K, Ikegawa S
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Journal Title
Journal of Human Genetics
Volume: 64
Pages: 261-264
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Bi-allelic loss of function variants of TBX6 causes a spectrum of malformation of spine and rib including congenital scoliosis and spondylocostal dysostosis2019
Author(s)
Otomo N, Takeda K, Kawai S, Kou I, Long Guo, Osawa M, Cantas Alev, Kawakami N, Miyake N, Matsumoto N, Yasuhiko Y, Kotani T, Suzuki T, Uno K, Sudo H, Inami S, Taneichi H, Shigematsu H, Watanabe K, Yonezawa I, Sugawara R, Taniguchi Y, Minami S, Kaneko K, Nakamura M, Matsumoto M, Toguchida J, Watanabe K, Ikegawa S
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Journal Title
Journal of medical genetics
Volume: 56
Pages: 622-628
DOI
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[Presentation] 先天性側弯症および脊椎肋骨異形成症における TBX6 ミスセンス変異の病 因性の検討および患者の iPS 細胞を用いた検証2019
Author(s)
大伴直央, 武田和樹, 川井俊介, 小倉洋二 川上紀明, 小谷俊明, 須藤英毅, 米澤郁穂, 宇野耕吉, 種市 洋, 渡辺 慶, 三宅紀子, 南 昌平, 重松英樹, 菅原 亮, 谷口優樹, 中村雅也, 松本守雄, 戸口田 淳也, 渡辺航太, 千葉一裕, 池川志郎
Organizer
第48回 日本脊椎脊髄病学会
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[Presentation] TBX6 ミスセンス変異は TBX6 蛋白質の細胞内局在異常を来し,先天性側弯症 および脊椎肋骨異形成症を引き起こす2019
Author(s)
大伴直央, 武田和樹, 川井俊介, 小倉洋二, 川上紀明, 小谷俊明, 須藤英毅, 米澤郁穂, 宇野耕吉, 種市 洋, 渡辺 慶, 三宅紀子, 南 昌平, 重松英樹, 菅原 亮, 谷口優樹, 中村雅也, 松本守雄, 戸口田 淳也, 渡邉航太, 千葉一裕, 池川志郎
Organizer
第92回日本整形外科学会学術総会