2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K10991
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
寺田 信行 兵庫医科大学, 医学部, 名誉教授 (50150339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 直子 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10319858)
西浦 弘志 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (90284760)
山根木 康嗣 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00434944)
中正 恵二 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00217712)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | IL-18 / 骨肉腫 / 転移 / CXCL9 / CXCL10 |
Outline of Annual Research Achievements |
IL-18は様々な生理活性を持っているが、その抗腫瘍効果に着目して我々は研究を行ってきた。IL-18はマウス骨肉腫の転移を抑制し、IL-18投与マウスの血清中にIL-18誘導性がん転移抑制シグナルが見出された。がん転移抑制シグナルの同定には抗体アレイを用いた解析を行い、複数の転移抑制シグナル分子の存在が確認され、本研究ではその中でもCXCL9とCXCL10がIL-18により誘導されるシグナル分子の候補として考えられ、その真偽を確かめた上で、これらの作用を明らかにする。さらに、我々が提案するIL-18による宿主のがんが”転移しにくい環境作り” という新たな概念の妥当性検証と、その実行におけるIL-18の役割を証明し、その生理的意義を明らかにする。 これまでに①in vitroと②in vivoの実験を行った結果、①マウス骨肉腫細胞をCXCL9、CXCL10の添加培養液で培養したが、増殖への影響はみられなかった。また骨肉腫細胞を用いて細胞遊走アッセイを行ったところ、CXCL10の添加では変化がみられなかったが、CXCL9の添加でわずかに遊走能が抑制された。CXCL9には骨肉腫細胞に直接作用がある可能性がでてきた。②C3Hマウスの尾静脈から骨肉腫細胞を注入して肺転移を起こさせる転移モデルを用い、3週間後の肺転移数を調べることで評価した。これまでにIL-18は骨肉腫細胞に先行して5回投与しても肺転移を抑制することが分かっている。そこで骨肉腫細胞注入に先行してIL-18単独投与、IL-18と抗CXCL9または抗CXCL10中和抗体を共投与した。IL-18単独投与では肺転移が抑制され、共投与によりわずかに転移の増加がみられた。現在は①骨肉腫細胞にCXCL9とCXCL10のレセプターであるCXCR3が存在するか否かを調べている。②投与の時期や他の転移モデル系を用いた実験を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物実験施設の移転に伴い動物実験の停止期間があり遂行が遅れたため、in vivo実験が遅れている。しかしその間に質量分析によりIL-18誘導性がん転移抑制シグナルの候補をいくつか検出することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
初めの研究計画に沿って①in vitroと②in vivoの実験を並行して行っていく。①骨肉腫細胞に直接CXCL9とCXCL10が作用するか否かを確認するため、そのレセプターであるCXCR3の存在をPCRで調べる。②尾静脈からの骨肉腫細胞の注入による肺転移モデルと自然肺転移モデルを用いて抗CXCL9および抗CXCL10中和抗体によるIL-18の転移抑制への抑制効果の検証を行う。前回はわずかな抑制効果がみられたので、今後は中和抗体の投与時期を延長して検証を行う。肺転移巣周囲の血管やリンパ球浸潤等の違いを調べる。
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Causes of Carryover |
動物実験施設の移転により動物実験の停止期間があり、購入を予定していたマウスと投与する中和抗体の購入費用が未使用となったため。次年度は新施設にて実験を再開し、その購入費用に使用を予定している。
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Research Products
(2 results)