2019 Fiscal Year Annual Research Report
The influence of lifestyle-related disease on oxidation-induced degradation of polyethylene used in artificial joints
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17K11031
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
齋藤 充 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (50301528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 英紀 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (20385355)
丸毛 啓史 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (70199925)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 生活習慣病 / 人工関節 / ポリエチレン / 酸化劣化 |
Outline of Annual Research Achievements |
架橋処理や抗酸化剤を含まないconventional ポリエチレン(PE),架橋型PEを健常ラットおよび糖尿病ラットの皮下に埋植し,一定期間経過した後に摘出した. 摘出した各々のPEは,FTIR(ATR法)により酸化度解析を行った結果,正常群に比較して糖尿病群では酸化劣化が高度であった. また,架橋型PEは糖尿病群にて酸化劣化が高値である傾向が認められたが,非架橋型PEに比べて低値であった. これらのことから,人工関節の摺動面に使用されるPEは,経年的に発生するフリーラジカルや活性酸素により劣化し摩耗する.そしてその摩耗粉がマクロファージに認識され炎症を惹起し骨とインプラントとの骨癒合を破綻させることが人工関節の再置換に至る主たる要因とされている.これまで,PEの劣化は,時間依存的な要因のみが報告されていたが,本研究により,糖尿病のような全身性に高フリーラジカルおよび高活性酸素・高酸化ストレス環境下にPEが曝露されると,PEの劣化は過度にすすむことが明らかとなった.以上の事実から糖尿病のような生活習慣病例における人工関節置換術は,PEの酸化劣化を考慮し,架橋型もしくは抗酸化物質を含むPEを使用することが必要と考える.
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