2019 Fiscal Year Annual Research Report
Research of inflammatory responses with the progress of ischemic spinal cord injury.
Project/Area Number |
17K11052
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山下 敦生 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (50379971)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 美志也 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60243664)
石田 和慶 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (80314813) [Withdrawn]
山下 理 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (20610885)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 脊髄虚血保護 / 胸腹部大動脈瘤 / 炎症反応 / 再灌流障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
胸腹部大動脈瘤手術に伴う脊髄虚血において近年遅発性対麻痺の割合が増加傾向で、その原因として虚血再灌流傷害の病態進行による遅発性神経細胞死が考えられている。我々はその機序の一因として炎症反応の関与を考え、抗サイトカイン抗体投与による脊髄虚血保護の検討を行ってきた。その中でIL-1β受容体拮抗薬投与により遅発性対麻痺の遅延効果を認めたが、病態進行は止められなかった。虚血再灌流傷害による炎症反応は数週間続くといわれ、IL-1β以外の因子の関与に注目し、経時的なサイトカイン類の検出を試みた。サイトカインの抽出は、脊髄虚血再灌流後の脊髄を摘出し溶液中で粉砕撹拌し遠心分離した上澄み液を検体として用いることとした。 家兎を用いた脊髄虚血モデル(全身麻酔下左側腹部切開、後腹膜アプローチ、腎動脈下腹部大動脈15分間遮断、再灌流、閉創)で脊髄虚血を作成した。手術による炎症反応惹起の影響を考慮し、腹部大動脈のテーピングのみ行い閉創するsham群をコントロールとした。脊髄虚血群は虚血再灌流後1、2、3、4、5日目(各n=4)、sham群も術後1、2、3、4、5日目(各n=2)とし、後肢運動機能評価をした後、脊髄標本を採取した。標本は全身麻酔下に伏臥位で背部を切開し、第3~7腰椎棘突起を切除し、第5腰髄を中心に脊髄を摘出し、液体窒素で冷凍し-80℃で保存した。計30検体採取した。冷凍保存された脊髄標本100mgを切り出し、1mlの溶解試薬の中で粉砕撹拌し、遠心分離機にて上澄み液を抽出した。ELISA法によるサイトカイン濃度の測定は、研究期間内に間に合わなかったため、今後我々の研究費を用いて継続する予定である。
|