2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of antiemetic drugs for PONV by genome-wide long non-coding RNAs analysis
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17K11066
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
遠藤 康弘 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (40375051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉野 繁一 東北大学, 大学病院, 助教 (00423765)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | PONV / ゲノムワイド関連分析 / 長鎖非翻訳RNA / SNPs |
Outline of Annual Research Achievements |
256名の手術患者のゲノムDNAを用いて検討した.まず静脈内PCAを用いた乳房手術と硬膜外麻酔を用いた婦人科手術で,PONVを発症した患者12名と発症しなかった患者12名のゲノムDNAを,DNAマイクロアレイを用いて,日本人に特有なSNPsを含む659,636ヶ所の変異に関して遺伝子型を決定した.次にスーパーコンピュータを用いて,連鎖不平衡にある24,330,529ヶ所のSNPsの遺伝子型を補完した.すべてのSNPsについてFisherの検定でPONV発症と関連を検討し,P値が0.0001以下であった78SNPsを同定した.さらにVariant Annotation Integrator(UCSC Genome)を用いて,エクソンやシス調節領域にある4SNPsを抽出した.2SNPsは各々,PTPRD遺伝子の転写因子結合部位とTNRC18遺伝子のDNase高感受性部位に存在した.他の2SNPsは長鎖非翻訳RNAを転写するCARMN遺伝子とMIR4300HG遺伝子のエクソンに存在した.最後にこれらの4SNPsについて256名のすべての患者でリアルタイムPCRを用いて遺伝子型を決定し,PONV発症との関連を検証した.MIR4300HG遺伝子のrs11232965-SNPがPONVの発症と関連があることが明らかになった(カイ2乗検定,3遺伝子型間:p=0.01;2アリル間:p=0.007).近年,長鎖非翻訳RNAはその結合タンパクとともに多岐に渡り生体内で機能していることが明らかになりつつある.本研究ではMIR4300HG遺伝子のSNPsが,術式や術後鎮痛法によらずにPONV発症と関連していた.この知見は長鎖非翻訳RNAがPONV発症の機序に普遍的に関与している可能性を示唆している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゲノムワイド関連分析は順調に進み,結果を論文投稿予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
同定した長鎖非翻訳RNAはヒトでのみ存在しているため,分子レベルの機能を探索するためヒト神経組織由来の培養細胞を用いて研究を進めて行く予定である.
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Causes of Carryover |
(理由)予想以上に研究が順調に進み,少ない実験回数で結果を得ることができたため.(使用計画)論文投稿のために英文校正や投稿料に使用してゆきたい.
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