2018 Fiscal Year Research-status Report
癌幹細胞性に着目した簡素な尿路上皮癌の分子サブタイプ分類の作成
Project/Area Number |
17K11167
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Komagome Hospital (Clinical research laboratory) |
Principal Investigator |
古賀 文隆 東京都立駒込病院(臨床研究室), 腎泌尿器外科, 部長 (10285851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
元井 亨 東京都立駒込病院(臨床研究室), 病理科, 医長 (50291315)
竹村 公佑 東京都立駒込病院(臨床研究室), 腎泌尿器外科, 後期臨床研修医 (60810942)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 尿路上皮癌 / 幹細胞性 / 分子サブタイプ / 化学放射線療法 / 予後 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、国外の複数施設から網羅的ケノム解析に基づく膀胱尿路上皮癌の分子サブタイプ分類が提唱され、予後と化学療法治療効果との関連性が報告されている。 今後乳癌と同様、尿路上皮癌 (UC) の分子サブタイプ分類が治療方針決定に応用されることが予想される。本研究は、癌の治療耐性と浸潤・転移能に関連する癌幹細胞性に着目し、癌幹細胞マーカーを含む可及的少数分子の免疫組織染色の組合せによる予後と治療抵抗性を反映する、簡素で実用的なUCの分子サブタイプ分類を作成することを目的とする。 H30年度は、癌幹細胞性の観点から興味深い尿路上皮由来の癌肉腫症例について幹細胞および分化マーカーの発現解析を実施し報告した。当該症例は、腎盂・尿管・膀胱に多発する、何れの病変も横紋筋肉腫への特異な分化を示す尿路上皮癌由来の癌肉腫であった。典型的な尿路上皮癌成分は同癌分化マーカーであるGATA3と分化能の保持に関わるp63の発現を示し、横紋筋肉腫成分は横紋筋マーカーであるmyogeninの強発現を示したが、両成分は幹細胞マーカーであるSOX2発現を示さなかった。一方、両成分の移行域に存在する腫瘍細胞はGATA3, p63, myogeninを発現せず、SOX2を強発現した。これらの幹細胞性の高い腫瘍細胞から尿路上皮癌と横紋筋肉腫が分化・形成された可能性が示唆された。尿路上皮癌の癌肉腫への分化に癌幹細胞が関与する可能性が示唆された。癌幹細胞性の情報を含む分子サブタイプ分類作成においてSOX2は候補マーカーの1つとして有用であるかもしれない。 その他、H29年度得られた膀胱癌の分子サブタイプ分類と化学放射線療法後の予後との関連についての知見を基に、筋層浸潤性膀胱尿路上皮癌に対する化学放射線療法による膀胱温存療法の治療効果および予後を予測するバイオマーカーに関する総説を報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
尿路上皮癌の癌肉腫への分化に癌幹細胞が関与する可能性が示唆された。癌幹細胞性の情報を含む分子サブタイプ分類作成においてSOX2は候補マーカーの1つとして有用であるかもしれない。
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Strategy for Future Research Activity |
分子サブタイプ分類と膀胱尿路上皮癌化学療法後の予後との関連は示されたが、幹細胞マーカーを含む簡素な分子サブタイプ分類の作成には至っておらず、来年度以降で推進する計画である。
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Causes of Carryover |
初年度に分担研究者の転出と変更に伴い、研究開始に1年の遅延が生じたため。 それに伴い、本年度も予算の執行は遅延する見込みである。
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Research Products
(3 results)