2018 Fiscal Year Research-status Report
エストロゲンの抗酸化作用に着目した新規尿路結石予防法の解明と臨床応用
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17K11189
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
広瀬 真仁 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (70529172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 孝周 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (40326153)
岡田 淳志 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (70444966)
濱本 周造 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (80551267)
海野 怜 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (40755683)
田口 和己 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (00595184)
戸澤 啓一 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (40264733)
郡 健二郎 名古屋市立大学, その他部局等, 学長 (30122047)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 尿路結石 / エストロゲン / 細胞傷害 / オートファジー / ベージュ細胞 / 褐色脂肪組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
29年度の研究成果より、結石形成の性差には、①ミトコンドリア傷害、②脂肪組織構成、③エストロゲンレセプターおよびアンドロゲン代謝が重要であると位置づけられたため、30年度はそれを応用した研究を行った。 ①尿路結石の形成過程において、結石モデルマウス(雄)の障害を受けた腎尿細管細胞のミトコンドリアが尿細管管腔に集まり、結石の核となる可能性を認めた。このことによる細胞内オルガネラ傷害に対し、オートファジーが重要な機能を有することを同定し、論文投稿を行っている。 ②結石モデルマウス(雄)での昨年の成果に基づき、褐色脂肪組織(BAT)の除去実験と白色脂肪細胞から褐色脂肪様細胞(ベージュ細胞)への分化を促進させるβ3作動薬の投与を行った。BAT(-) 群の腎結石形成量はBAT(+) 群の2.1 倍であった(P<0.05)。BAT(-) 群でBAT(+)と比較して、腎のCcl2、Emr1、Tnfα発現が高く、Sod1 発現が低かった。β3作動薬CL 投与群の腎結石形成量はControl 群の0.17 倍であった(P<0.05)。透過型電子顕微鏡では、CL 群の脂肪細胞内で脂肪滴縮小化とミトコンドリア数増加を認めた。脂肪組織では、CL 群のUcp1 発現が高く、腎Ccl2、Emr1の発現が低く、Sod1 発現が高かった。この研究成果は、論文化して採択された。 ③エストロゲンレセプターおよびアンドロゲン代謝についての研究は、まずは対照群となる雄での結石研究が終了した。31年度は雌マウスでの研究成果と、その成果に基づいた遺伝子発現解析を行って行く。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
雄マウスを用いた研究は概ね完了しており、新しい知見も得られているが、雌マウスの研究が31年度になる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
雌での結石研究を実施し、雄で得られた知見①酸化ストレス・オートファジー、②褐色脂肪細胞、③エストロゲンレセプターおよびアンドロゲン代謝の発現について雄マウスと比較をする。
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Causes of Carryover |
雌マウスにおけるエストロゲンレセプターおよびアンドロゲン代謝について解析において、使用していた解析キットで正しい結果がでないことが年度途中で判明した。 このため一時研究を中断した時期があり予算の上でも次年度使用金額が発生した。今年度は選定しなおしたキットを用いてエストロゲンレセプターおよびアンドロゲン代謝について解析を進めていく。
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