2018 Fiscal Year Research-status Report
Identification of molecular markers for ectopic pregnancy
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17K11283
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
増崎 英明 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 理事 (00173740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 清徳 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (00363490)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 産婦人科 / 異所性妊娠 / バイオマーカー / microRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、異所性妊娠の術前後の末梢血5サンプルを集積した。患者血漿中におけるmiR-518bを含むchromosome 19 microRNA cluster (C19MC)領域内のmicroRNAならびにC14MC領域内のmiR-323-3pの循環量をリアルタイムRT-PCR法を用いて定量した。その結果、miR-518bは正常妊娠と異常妊娠(流産あるいは異所性妊娠)とを区別するマーカーとして有用であることが示唆された。そして、miR-323-3pは流産と異所性妊娠とを区別するマーカーであることが示唆された。miR-518bおよびmiR-323-3pは、いずれも妊娠のバイオマーカーであるhCGとは独立したバイオマーカーであった。とくに、miR-323-3pは異所性妊娠の新たなバイオマーカーとして期待され、C14MC領域内のmicroRNAを含む網羅的解析により、異所性妊娠の新たなバイオマーカーの同定と病態解明の手がかりに迫ることが期待された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的である異所性妊娠に特異的なバイオマーカーの同定とその臨床的意義の解明について、miR-323-3pは異所性妊娠の新たなバイオマーカーとして期待されることが明らかになった。今後、C14MC領域内のmicroRNAを含む網羅的解析により、異所性妊娠の新たなバイオマーカーの同定と病態解明の手がかりを得る予定であり、研究計画はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
従来から妊娠管理で用いられている血中hCG値と本研究で開発する異所性妊娠と関連する分子マーカーセットとを用いた異所性妊娠の早期診断法に関する臨床的意義を明らかにする。 尿中hCG陽性かつ妊娠初期の経腟超音波で子宮内に胎嚢が確認されなかった妊婦例のうち、血中hCG値および母体血漿中の異所性妊娠と関連するmicroRNA流入量と妊娠転帰(正常妊娠、流産、異所性妊娠)との比較から、従来から妊娠管理で用いられている血中hCG値と本研究で開発する検査法とを組み合わせた妊娠初期の診断管理について検討する。現時点は、第1段階で正常妊娠と異常妊娠とを鑑別し、第2段階で異常妊娠と診断されたもののうち異所性妊娠と流産とを鑑別する診断ストラテジーを想定している。
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Causes of Carryover |
2018年度は、miR-323-3pならびにmiR-518bを用いて、異所性妊娠の鑑別診断法に関する手がかりを得ることが出来たが、網羅的遺伝子解析(マイクロアレイ解析あるいは次世代シークエンス)を行うことが出来なかったので次年度使用額が生じた。2019年度には、当初の計画通り、網羅的遺伝子解析(マイクロアレイ解析あるいは次世代シークエンス)を行う予定であり、次年度使用額は使用される。
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Research Products
(4 results)