2020 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of olfactory training on synapse formation between regenerative olfactory neuron axons and glomeruli in the olfactory bulb
Project/Area Number |
17K11360
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西崎 和則 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 特命教授 (90180603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村井 綾 岡山大学, 大学病院, 医員 (00780834)
高原 潤子 岡山大学, 医学部, 技術専門職員 (80448224)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 嗅覚障害 / 嗅覚刺激療法 / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的:当教室では外傷性嗅覚障害モデルマウスを用いた嗅覚再生について研究を行っている。嗅覚再生には感覚神経細胞の再生と正しい神経回路形成の再構築が必要である。以前の研究では軸索切断のような重度の嗅細胞の障害を受けると回路形成が正しく回復せず、高次神経細胞との結合性が低下していた。臨床的には嗅覚トレーニング法による嗅覚再生が有効との報告がある。そこで嗅覚トレーニングの基礎的研究を行なった。方法:嗅覚受容体MOR29AとMOR29Bに蛍光標識した遺伝子組み換えマウス(MOR29ABマウス)に対し、嗅細胞の軸索を物理的に切断(軸索切断)し、外傷性嗅覚障害モデルマウスを作製した。結果:軸索切断により、再生した嗅細胞軸索がどのように変化するかMOR29ABマウスに軸索切断を行い、軸索切断後77日後、133日後に嗅球の観察を行った。軸索切断後42日と比較して、新生嗅細胞軸索の伸長を認め、矮小化した糸球体の大きさも回復傾向であった。次に嗅覚トレーニングを実施した。嗅覚トレーニングはT&Tオルファクトメーターに使用されている5種の化合物を使用した。各嗅素を綿球に浸し、軸索切断したマウスに5分間かがせた。軸索切断後42日後に嗅上皮と嗅球を取り出し観察をおこなった。投射位置の改善は明らかではなかったが、嗅上皮の厚みは生理食塩水をかがせたコントロール群と比較して、有意に嗅上皮の厚みが増していた。嗅覚トレーニングにより嗅細胞の回復を促進させると思われる。 今後、嗅覚トレーニングの効果を判定するために軸索切断後77日後、133日後の嗅球での変化を観察する必要がある。
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