2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K11367
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
和田 弘太 東邦大学, 医学部, 教授 (20307482)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 好酸球性副鼻腔炎 / 喘息 / 上皮細胞 / 線維芽細胞 / IL-33 / TSLP |
Outline of Annual Research Achievements |
副鼻腔炎の診断で内視鏡下鼻副鼻腔手術を施行した症例と、コントロールとして下垂体手術症例、眼窩壁骨折症例を用いて採取した。鈎状突起から副鼻腔由来上皮細胞(気道細胞)を鼻ポリープから線維芽細胞を培養し検討を行った。 副鼻腔炎はウィルス感染を契機に増悪し細菌感染を引き起こす。そのため、ウィルス感染の疑似となるTLR3のリガンドであるPoly I;Cを用いて刺激を行っている。また、好酸球性副鼻腔炎(ECRS)は、免疫・アレルギー疾患のひとつと考えられている。副鼻腔由来上皮細胞においてPoly I;C 刺激を行うと上清中のTSLPの検出が可能であった。Th2サイトカインだけの刺激では検出されなかった。それにも関わらず、Poly I;Cだけ加えるよりも、Th2サイトカインとPoly I;Cを加えるとTSLP産生量が増加し、特にECRS重症例でその傾向が顕著であった。 本年度は前述の実験結果を吟味するために、局所(鈎状突起粘膜)のリンパ球について検討した。ポリープを伴う副鼻腔炎の中で、ECRSと非ECRSで比較した結果、ECRSでは優位にCD4+T細胞/B細胞比が高かった。この結果はECRSの病態にTh2型反応が関与する可能性があり、前述の実験結果を支持すると考えられた。 前年度に引き続き、線維芽細胞にPoly I;CまたはRSウィルス液で刺激を加えて検討を行った。免疫・アレルギー疾患において線維芽細胞から産生されるペリオスチンも重要であることから、本年度はペリオスチンのmRNA発現を測定した。無刺激に比較し、両者とも多くても2倍量に満たない増減であった。生体内におけるペリオスチン発現は、ウィルス感染に対する免疫応答によるサイトカイン産生によって誘導されることが報告されているため、In vitroにおいてもサイトカイン添加により、発現量に明らかな変動が認められる可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
副鼻腔炎の診断で内視鏡下鼻副鼻腔手術を施行した症例と、コントロールとして下垂体手術症例、眼窩壁骨折症例を用いて採取した。鈎状突起から副鼻腔由来上皮細胞(気道細胞)を鼻ポリープから線維芽細胞を培養し検討を行ったが、副鼻腔炎は手術未施行症例も手術症例もウィルス感染を契機に増悪し細菌感染を引き起こすことが知られている。アレルギー疾患におけるマスタースイッチであるTSLPについて検討している。副鼻腔由来上皮細胞においてPoly I;C 刺激を行うと上清中のTSLPの検出が可能であった。Th2サイトカインだけの刺激では検出されなかった。それにも関わらず、Poly I;Cだけ加えるよりも、Th2サイトカインとPoly I;Cを加えるとTSLP産生量が増加し、特にECRS重症例でその傾向が顕著であった。 本年度は前述の実験結果を吟味するために、局所(鈎状突起粘膜)のリンパ球について検討した。ポリープを伴う副鼻腔炎の中で、ECRSと非ECRSで比較した結果、ECRSでは優位にCD4+T細胞/B細胞比が高かった。この結果はECRSの病態にTh2型反応が関与する可能性があり、前述の実験結果を支持すると考えられた。 前年度に引き続き、線維芽細胞にPoly I;CまたはRSウィルス液で刺激を加えて検討を行った。免疫・アレルギー疾患において線維芽細胞から産生されるペリオスチンも重要であることから、本年度はペリオスチンのmRNA発現を測定した。無刺激に比較し、両者とも多くても2倍量に満たない増減であった。生体内におけるペリオスチン発現は、ウィルス感染に対する免疫応答によるサイトカイン産生によって誘導されることが報告されているため、In vitroにおいてもサイトカイン添加により、発現量に明らかな変動が認められる可能性が考えられた。
上記の結果を踏まえ現在、論文を執筆中である
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Strategy for Future Research Activity |
TSLPについて検討している。副鼻腔由来上皮細胞においてPoly I;C 刺激を行うと上清中のTSLPの検出が可能であった。Th2サイトカインだけの刺激では検出されなかった。それにも関わらず、Poly I;Cだけ加えるよりも、Th2サイトカインとPoly I;Cを加えるとTSLP産生量が増加し、特にECRS重症例でその傾向が顕著であった。 本年度は前述の実験結果を吟味するために、局所(鈎状突起粘膜)のリンパ球について検討した。ポリープを伴う副鼻腔炎の中で、ECRSと非ECRSで比較した結果、ECRSでは優位にCD4+T細胞/B細胞比が高かった。この結果はECRSの病態にTh2型反応が関与する可能性があり、前述の実験結果を支持すると考えられた。 前年度に引き続き、線維芽細胞にPoly I;CまたはRSウィルス液で刺激を加えて検討を行った。免疫・アレルギー疾患において線維芽細胞から産生されるペリオスチンも重要であることから、本年度はペリオスチンのmRNA発現を測定した。無刺激に比較し、両者とも多くても2倍量に満たない増減であった。生体内におけるペリオスチン発現は、ウィルス感染に対する免疫応答によるサイトカイン産生によって誘導されることが報告されているため、In vitroにおいてもサイトカイン添加により、発現量に明らかな変動が認められる可能性が考えられた。
上記の結果を踏まえ若干の追加実験を行いながら現在、論文を執筆中である
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Causes of Carryover |
昨年度に開始を行ったペリオスチンの結果がまだ不十分である。刺激検体数を増やすことでペリオスチンのデータもまとめる事とができると考えている。
前年度に引き続き、線維芽細胞にPoly I;CまたはRSウィルス液で刺激を加えて検討を行う。免疫・アレルギー疾患において線維芽細胞から産生されるペリオスチンも重要であることから、本年度はペリオスチンのmRNA発現を測定する。生体内におけるペリオスチン発現は、ウィルス感染に対する免疫応答によるサイトカイン産生によって誘導されることが報告されているため、In vitroにおいてもサイトカイン添加により、発現量に明らかな変動が認められる可能性が示唆されているため、若干の追加検討を加えている。
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