2017 Fiscal Year Research-status Report
Dry nose as a nasal epithelial barrier disorder and application to preemptive medicine
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17K11368
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
三輪 正人 日本医科大学, 医学部, 教授 (80247650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山ハウリー 亜紀 文京学院大学, 保健医療技術学部, 助手 (00599425) [Withdrawn]
大久保 公裕 日本医科大学, 医学部, 助教授 (10213654)
飯島 史朗 文京学院大学, 保健医療技術学部, 教授 (30222798)
村上 亮介 日本医科大学, 医学部, 助教 (60596873)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ドライノーズ / バリア機能 / 鼻腔細菌叢 / 鼻汁分泌 / 疫学調査 / 非侵襲的検査 / 呼気凝集液 / 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的であるドライノーズが病態にどのような影響を与えているのかを解明するための第一歩として、鼻乾燥症状が花粉症患者でどの程度あるかを検討したところ、軽度から高度をあわせた鼻の乾燥感ありの患者群が過半数を占めており、また鼻漏症状との逆相関はなく、鼻乾燥感と鼻汁分泌とは関連性がなく、花粉症患者でのドライノーズの存在が示唆された。 次に、鼻乾燥感と鼻腔細菌叢の関連性について検討した。乾燥感ありの群では、乾燥感なしの群に比べて、細菌叢が異なる傾向を示し、また耐性菌の代表株であるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は、乾燥感ありの群のみ認められた。ドライアイと同様、マイクロバイオームが病態形成に関与している可能性が示唆された。 一方、ドライスキンと同じく、ドライノーズが鼻粘膜病変の前駆段階である可能性を検討するため、アレルギー性鼻炎および副鼻腔炎患者の鼻粘膜上皮バリア機能の非侵襲的生理学的検査、粘液繊毛輸送機能検査および鼻水の浸透圧の測定、鼻呼気凝集液の採取後酸化ストレスの指標の測定、鼻粘膜上皮擦過細胞を用いた種々のタンパクの発現量の測定、各種電気泳動法によるタンパク質の解析ならびに含有糖タンパク質の解析を開始し、現在乾燥感の有無との関連性について検索中である。 医師主導によるドライノーズの疫学調査のため、乾燥化が問題視されている病院の職員を対象としたアンケートによるドライノーズの疫学的調査ならびに無作為抽出した方の鼻粘膜上皮バリア機能の非侵襲的生理学的検査をおこなうための臨床研究を日本医科大学付属病院倫理委員会に申請中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今まで全く明らかにされていなかったスギ花粉症患者の鼻乾燥感の存在について明らかにした。また、鼻腔細菌叢においてもドライノーズでは異なる傾向を示している可能性を見出した。一方、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などの患者の鼻粘膜上皮バリア機能の非侵襲的生理学的検査も開始している。病院職員を対象としたドライノーズの疫学調査についてに倫理申請を既にしており、細部を改定中である。
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Strategy for Future Research Activity |
1)アレルギー性鼻炎および副鼻腔炎患者の鼻粘膜上皮バリア機能の非侵襲的生理学的検査、粘液繊毛輸送機能検査および鼻水の浸透圧の測定、鼻呼気凝集液の採取後酸化ストレスの指標の測定、鼻粘膜上皮擦過細胞を用いた種々のタンパクの発現量の測定、各種電気泳動法によるタンパク質の解析ならびに含有糖タンパク質の解析を開始しているが、乾燥感の有無との関連性について検討を進め、ドライノーズがドライスキンやドライアイと同様、鼻および気道粘膜病態形成の前駆段階である可能性について考察する。 2)アレルギー性鼻炎および副鼻腔炎患者手術時の摘出標本廃棄検体を用い、バリア機能と関連するTRPチャネルなどを免疫組織学的染色をおこない病態との関連性を探索する。 3)初代培養鼻粘膜上皮細胞にドライノーズ状態を作製することを試みる。 4)病院職員のドライノーズの疫学調査を実施する。
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Causes of Carryover |
次年度国際学会に2回発表予定であるため。
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Research Products
(11 results)