2017 Fiscal Year Research-status Report
頭頸部がん治療における新たなる免疫化学療法の開発- CTLと抗がん薬併用の意義
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17K11412
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
小川 徹也 愛知医科大学, 医学部, 教授 (40334940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 和宏 愛知医科大学, 公私立大学の部局等, 特務教授 (60109759)
鈴木 進 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (70518422)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 免疫治療 / 頭頸部癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度では、口腔がん由来のHSC3、HSC4細胞株を使用した実験を行っている。両細胞株とも、HLA-A24ないしHLA-A2が発現しており、健常人末梢血単核球とCMVpp65エピトープ混合培養で、CD137を標的としたCTL単離法によりCTLを効果的に誘導することに成功している実験系である。これら口腔がん由来細胞のHSC3、HSC4細胞株を使用し、5FUをCTL投与前に使用することで、CTLがどれほど増強されるのかを検討した。その結果、口腔がん由来のHSC3、HSC4細胞株において、5FUはCTLの効果を増強することが判明した。現在、口腔がん由来のHSC3、HSC4細胞株において、5FU投与前後において、いかなる因子が動いているのか確認すべく検討を行っている。具体的には、口腔がん由来のHSC3、HSC4細胞株の5FU投与前後において、RNAを抽出し、これらからcDNAを合成、マイクロアレイ解析を用いて、投与前後で如何なるmRNAが動いているのか、確認を行う手法である。さらに今後は、口腔がん由来のHSC3、HSC4細胞株以外の様々な細胞株を用い、HLAタイプが一致するものを見出し、5FUがこれら別の細胞株においてもCTLの効果を増強するのかどうか、確認する予定である。また、5FU以外の頭頸部抗がん薬を、これら細胞株に使用することで、5FU以外の様々な薬剤が、CTLを効果的に誘導することが出来るのか、確認していく予定である。さらにマイクロアレイ解析で確認できた因子の発現タンパクを、ウエスタンブロッティング法で確認し、実際のタンパクレベルでの発現の差を確認していきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
口腔がん由来のHSC3、HSC4細胞株を使用した実験を行い、5FUはCTLの効果を増強することが判明している。一方、別の細胞株においてもCTLの効果を増強するのかどうか、また、5FU以外の頭頸部抗がん薬を、これら細胞株に使用することで、5FU以外の様々な薬剤がCTLを効果的に誘導することが出来るのか、確認することが遅れている。しかしながら口腔がん由来のHSC3、HSC4細胞株の5FU投与前後において、RNAを抽出し、これらからcDNAを合成、マイクロアレイ解析を用いて、投与前後で如何なるmRNAが動いているのか確認を行っているのは順調と考えられ、そうじてやや遅れていると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
5FU以外の頭頸部抗がん薬を、これら細胞株に使用することで、5FU以外の様々な薬剤がCTLを効果的に誘導することが出来るのかの確認を行っていく予定である。また口腔がん由来HSC3、HSC4細胞株の5FU投与前後において、RNAを抽出、これらからcDNAを合成しマイクロアレイ解析にて投与前後で如何なるmRNAが動いているのか確認を行っているが、これから判明する因子の、タンパク解析を行っていくことで、タンパクレベルでも変化があることを確認したい。さらにその発現調節を行うことで、CTLの効果変化が確認できるかどうかを目指したい。
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Causes of Carryover |
5FU以外の頭頸部抗がん薬を、口腔がん由来のHSC3、HSC4細胞株に使用することで、5FU以外の様々な薬剤がCTLを効果的に誘導することが出来るのか確認しすることが遅れていること、さらにその他の様々な細胞株を用いての実験の開始は遅れていることによる。
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