2018 Fiscal Year Research-status Report
頭頸部がん治療における新たなる免疫化学療法の開発- CTLと抗がん薬併用の意義
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17K11412
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
小川 徹也 愛知医科大学, 医学部, 教授 (40334940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 和宏 愛知医科大学, 公私立大学の部局等, 特務教授 (60109759)
鈴木 進 愛知医科大学, その他部局等, 准教授 (70518422)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 細胞性免疫 / 抗がん薬治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、頭頸部がん細胞株において細胞傷害性 T 細胞(以下 CTL)と抗がん薬の関係を示すことを目的としている。そして、臨床応用可能な頭頸部がん免疫化学療法の開発を目指している。本年度の研究では、倫理審査委員会の承諾を得て、実際の頭頸部癌患者の末梢血を採取し、抗がん薬投与前と、投与後を経時的に観察することで、免疫担当細胞の推移を見えることとした。 今回は抗がん薬投与前、投与後2日目、5日目、12日目と採血を行い、その分画をフローサイトメトリー法にて確認した。その結果、細胞性免疫担当細胞は全体として、抗がん薬投与後に低下していることが示された。殺細胞効果のあるCD8陽性T細胞は、抗がん薬投与後直後から低下し、12日目で回復することが明らかになった。またCD4陽性細胞も同様な減少、立ち上がりが明らかになった。特徴的なのは活動性制御性T細胞は、2日目から回復し立ち上がることで、その回復は5日にピークであることが分かった。この結果は、これまで抗がん薬による免疫担当細胞の低減が、内容によって異なることを示している。さらに我々は実際の手術標本の、部位別の細胞性免疫担当細胞の発現を検討してた。その結果、活動性制御性T細胞は末梢血と転移のない頸部リンパ節では低いが、転移のあるリンパ節、原発では高値であることが分かった。この結果は、頸部リンパ節を温存しながら、免疫治療を進めて行くべく、新たなる頭頸部癌の免疫治療に繋がっていく可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
口腔がん由来細胞 HSC を使用し、様々な抗がん薬を投与することで、どのような抗がん薬が CTL 増強効果を認めるのか確認することが遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、細胞株を使用し、抗原特異的 CTL としてサイトメガロ(CMV)pp65 を特 異的に認識する CTL(CMVpp65-CTL)を使用し、また細胞株では標的細胞に CMVpp65 抗原をレン チウイルスベクターにより強制発現させて使用したい。最終的に、免疫感受性に関連する因子を同定しCTL増強因子を明らかにすることで、実際の臨床応用可能となる頭頸部がん免疫化学療法に繋がるよう努力したい。
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Causes of Carryover |
口腔がん由来細胞 HSC を使用し、様々な抗がん薬を投与することで、どのような抗がん薬が CTL 増強効果を認めるのか確認することが遅れていることから。差が生じている。
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Research Products
(3 results)